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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
King's Pride 王者の威厳
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の百獣の王の如き視線が、真っ直ぐ己の眼を射抜いていることを。
「さて、卿よ。心の準備と言う陳腐な物はできたか?」
躊躇は、一瞬だった。
「……うん」
意識を集中し、心の奥底にくすぶる欲望を強引に引きずり出す。
そうだ。そうだよ。決まっているじゃないか。僕は決めた、決めたんだ。あの少女を救うためならば、《鬼》にでも、《化物》にでもなってやる。それであの子が救えるならば、《人間》であることだって躊躇なく捨ててやろう。
両手を、神に願うように身体の前で合わせた。願う?いや少し違うな。言うなれば――――
宣戦布告、だろうか。
「顕現せよ、《
穿孔
(
グングニル
)
》」
その手を、ゆっくりと開いていく。その中には、もう手品のように一本の黒い槍が発現していた。実体を持たない、エネルギー体。
それを見、ヴォルティスは再度上機嫌そうに鼻を鳴らした。そして、自らの得物をゆっくりと肩に担ぐ。
この《作業》、いやもしかすると彼がこの世界に入ってから初めて取る、戦闘体勢。あの世界では、フロアボス戦くらいでしかお目に掛かれなかった物を、ここで彼は取る。
誓約《
虚なる永劫の輪
(
アルフ・ワ・ライラ
)
》
白銀の閃光が宙空を焼き、直径数十メートルは下らない光の柱が屹立する。
それは騎士達を次々と蒸発、融解させていき、巨門にぶち当たる。ミシミシ、という音が断続的に響き渡るが、それでも門は耐えた。
「ほう、あれを耐えるか。確かに卿の言う通り、中々の強度を誇っているな」
それはどちらかというと、ヴォルティス卿自身の攻撃属性に由来するだろう。この偉丈夫の心意属性は《破壊》、そして《破砕》。それはどちらかと言うと、面での攻撃、面での圧力で対象を破壊するという意味合いに近い。
それに対しての、レンの神装である《
穿孔
(
グングニル
)
》は点での攻撃を得意とする。それがヴォルティスとレンとの違い。
「ともあれ、道はこじ開けた。ここから先は、卿の仕事だッ!!」
キイイイイィィィィィィィ――――――ンンンンン!!!!
ジェットエンジンにも似た高周波音が響き渡る。レンが肩に担ぐようにして構える槍の切っ先を中心にして、球状のエネルギーが現れる。その色は、槍本体の色よりまだ濃い。艶消しの漆黒。黒であり漆黒。漆黒であり闇。
「
虚構
(
ホロウ
)
《
消滅
(
ハーゼ
)
》エエエェェェェッッッ!!!!」
轟音とともにレン自身の体が掻き消え、次の刹那には巨門の扉に突き立っていた。世界が断絶するような衝撃が走り、空間がいとも簡単に崩壊せしめる。
ヴォルティスの一撃ですでに入っていた亀裂に、無理矢理にも切っ先を捻じ込む。
「う……おぉおおおおおあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっぁぁっっっ
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