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King's Pride 王者の威厳
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った。その蛮勇達から発せられる、凄絶という他ないプレッシャー、桁外れという言葉でも言い表せない、文字通り馬鹿げた圧力を、その四人から発せられていたのだ。その大きさは、軽く騎士たちの群の包み込み、アルヴヘイムという一世界すらも凌駕しうるほどのモノだった。

カグラだけのプレッシャーなど、まるで小さな子供が強がっているようなものだ。気を緩めた途端に、反対に呑み込まれ、魅せ込まれてしまいそうだ。

世界樹の大きさなど、今思えば遥かに小さい物だったのだろう。それくらいの、大きさ。

「六王第六席《絶剣》ユウキ」

「六王第五席《柔拳王》テオドラ」

「六王第三席《冥王》レンホウ」

「六王第一席《戦神》ヴォルティス。いざ尋常に――――」

ギラッ!と真っ直ぐに大群に向けた、ヴォルティス卿の馬鹿でかい斧の刃が剣呑で、冷徹で、獰猛な光を放つ。

「推して参るッッ!!!」

世界が、爆発した。










それはもはや、戦闘という言葉では言い表すことはできなかった。

言えるべきことはそう、《戦争》だろうか。

一個人、一個体、一存在だけで、軍ひとつと同等の働きをしている。

身動き一つだけで、数十、数百の騎士達の身体が引き千切られ、木っ端微塵となって消し飛ばされ、掻き消されていく。ちょうど、鉛筆で思いっきり書いた黒い塊を消しゴムで消していくように。

反抗の意など、意に介さない。いや、そもそもそんな意思など存在することを許されていない。許されていなくて、赦されていない。

そこにあるのは、《蹂躙》の二文字。

まるで、それこそ皮肉なことにアリを踏み潰すような、単純作業。システムのほうが音を上げさせるような、そんな作業。

六王たるその存在達にとって、戦っているという認識すらもしていないかもしれない。いや、認識はしているか。しかし、戦っている対象は、奇声を上げながら襲い掛かってくる守護ガーディアンではない。もはや、それを生み出しているシステムその物といっても良いのかもしれない。

ルグルー回廊でテオドラが戦ったとき、彼女は二ヶ月と言うブランクが確実に堆積してしまっていて、SAO時代の彼女の実力とは雲泥の差であったが、そのブランクはどうやら埋めてきていたようだ。その手刀一振りで、十メートルは離れている数十の騎士達が一まとめに真っ二つになる。

ユウキは、さすがにそこまでブランクを埋め合わせている時間はなかったと見え、なんと敵陣のド真ん中に身一つで突っ込み、剣一本で渡り合っている。その様はもはや、歴戦の戦士のようだった。一ミリ、一センチでも、自分に近い敵から的確に首を刎ね飛ばし、確実に命を屠っていく。しかし、ユウキの凄いところは、それを頭で考えて計算してやっているのではない。
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