最後の今日
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理由で希美に回したのだった。
「なんで俺のせいなんだよ…入学試験で首席とったのはお前なんだからお前でいいだろ。」
「話の論点ずれてるけど?」
痴話喧嘩など聞き飽きたとでも言うように吉原有菜が横槍を入れた。
「まぁしょうがないよねー。その髪の色とスカート丈じゃぁみんな見るでしょー。」
それに被るようにして双子の妹の吉原有奈が補足した。
「だってここ校則緩いって聞いたから!」
「それにしたってその色はないっしょー?みんなガン見してたよ?」
「…お前ら姉妹も他人の事言えるとは思えねぇけどな。」
涼介の言葉に有奈は黙った。
吉原姉妹は二卵性双生児で全く顔は似ていない。
性格も正反対。有菜は控えめで大人しいが、有奈は活発であまり空気を読まない。
そして涼介に「他人の事を言えない」と言われたのは、二人の生まれ持った髪の色だった。
有菜は明るい紫、有奈は薄い桃色。
それでいてゴシックロリータ系統には全く興味がないというからこれまた誤解を招く。
「私たちは”生まれつき”なの。でもあなたたち二人は”染めた”んじゃない。しかも仲良く”お揃い”で。」
言葉に若干の棘を感じつつ、希美と涼介は顔を見合わせた。
まぁ、優菜の言うことは正論だ。
中学で付き合ってそのまま同じ高校に入り、きつく縛られていた中学の校則から解き放たれた記念にと、二人で市販のカラーリング剤で染めたのだった。
「スカートに関しては私たちも希美のこと言えないけれど、髪色に関しては反論させてもらうわ。」
「相変わらず有菜はきっついなぁ。」
「あら、今に始まったことじゃなくてよ。」
チャイムが鳴った。
中学の時とはまた違った音色だ。
皆がバタバタと席に着くのと同時に女性が入ってきた。
「チャイム鳴ったらはよ座る!…全くここはホンマに問題児の集まりみたいやなぁ。」
関西弁。
「ほな、高校生活最初のホームルーム始めよか。ウチは担任の岡本葉月や。まぁ聴いての通り関西出身やけど気にせんといてな。」
静寂。
「…何や、そないに関西弁が気になるんやったらヒョウジュンゴ、っちゅうん?あれも喋れるけど…いや、どうも居心地悪ぅてしゃぁないわ…」
「別にいーんじゃない?何言ってるかわかればこっちは困んないし。でしょ?」
「…なんで俺に何でも振るんだよ。」
静寂を容赦なく破ったのはやはり希美だった。
そして涼介も巻き込む。
「あぁえーと…お前あれやろ、入学式でどエライ演説した首席ちゃんやろ?」
「別に思い出さなくていいし”首席”とか予備情報もいらない。」
「まぁそないに謙遜せんでもええやないか。あ、でもうちのク
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