第六話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -初花-【暁 Ver】
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たし達にお礼を言ってくれたが、エヴァット三等陸佐はそれほど重要視はしていないが、軽視もしていない……そんな感じだった。
──── 『復讐』
怨恨……なのかな、やっぱり。それにしても復讐、か。やな感じだ。
「随分遅くなっちゃったね。明日の早朝訓練が辛いかも」
スバルの言う通りだ。だけど、今日に関しては早く寝ていたとしても、叩き起こされていたであろう事実に思い至ると溜息を吐いた。気が付くとアスナは何故か一人だけ歩を止めて、案山子のように立ち尽くしていた。何事かと振り返りながら尋ねても、彼女はなんでもないと首を振ったきりで再び歩き出す。そして。アスナが、あたし達を追い抜く際にぽつりと呟いた言葉を。あたしは、確かに聞いたのだった。
──── 何が言いたかったの?
アスナはそのまま足のある幽霊のような足取りで自分の部屋を目指していった。……何が言いたかったって、それは──── 待て。誰のなに対しての言葉なの? 遠ざかっていく華奢な背中を見つめる。恐らく聞いたところで、まともな答えは返ってこないだろう。
そんなアスナに少しだけ寂しさを感じる。それにしても……部隊長室を出てから何かが頭の隅に引っかかっている。なんだろう? この違和感は。……止めた。あたしは探偵じゃない。そんなものは行く先々で事件を呼び込む探偵擬きにでも任せるわ。ふと月明かりに照らされた街路樹の先を見ると、アスナが早く来いとばかりに立ち止まり、あたし達を見ていた。
今は取りあえず、朝のしごきに備えて寝ることにしよう。無表情で立っているアスナの姿を見ながら、スバルと共に苦笑浮かべて走り出していた。
──── このとき感じた疑問と違和感を振り払うように。
〜花言葉 〜Language of flowers〜 -初花- 了
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