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空を駆ける姫御子
第六話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -初花-【暁 Ver】
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葉はきっちり使うように俺に説教してるじゃねぇか。わかりにくいぞ? 頭の中を見てみてぇでいいじゃねぇか」

「仰るとおりですね、ハイ。と、とにかくですね。そう言う事ですので、ご勘弁下さい。僕達も仕事なので……」

 そう言って彼は、スギタ二等陸尉は八神部隊長へ(こうべ)を垂れた。

「いや、こちらこそ、ごめんなさい」

「……なんだよ、スギタ。俺が悪い流れか?」

 八神部隊長は俯いてしまっているし、エヴァット三等陸佐は憤然としている。流石に雰囲気が悪い。スギタ二等陸尉の仲裁もあまり意味がなかったようだ。あたしがどうしたものかと考えていると、アスナが再びスギタ二等陸尉を見ているのに気が付いた。

「あの、僕に何か?」

 アスナの視線に気付いた彼がアスナへと問いかけるが、アスナは何も答えない。アスナは少しだけ、首を傾げるような仕草をすると視線を彼から外し、再び壁の染みを数えてるかのような視線へと戻っていった。長い付き合いになるが時々、何を考えているのか本当にわからないことがある。……いや、正直に言おう。怖くなることがある。それが何なのか、その時のあたしはまだわからなかった。

 その後、エヴァット三等陸佐から簡単に三日前の所在や行動を聞かれ、デバイスに記録されている行動記録のデータを提出しても構わないと提案したところ必要ないと言われた。スギタ二等陸尉の言ったとおり本気で疑っていたわけではないようだ。無罪放免となり、あたし達が部屋へ戻ろうとした時に、スギタ二等陸尉が思い出したようにあたしたちへと声を掛けた。

「花……ですか?」

「うん、そう。遺体の周りに大量の花びらが落ちていてね。『アザミ』と言う種類の花だとはわかったんだけど……何故そんなことをしたのかわからなくて。出来れば君たちの意見を聞きたいんだ」

 そんな事を言われても……そして、あたしは部屋でアスナとした会話を思い出す。

「……花言葉」

「ん?……なるほど、そうか。花言葉か。先輩?」

 彼が意見を求めるようにエヴァット三等陸佐に問いかけると彼は困惑気味に笑う。

「いや、花言葉は知ってるが……ドラマや小説じゃあるまいし、現実にそんな事をするやつはいねぇだろう。大体、自分で手がかりを残してどうすんだ」

 実に正論だと思う。だが、現場に花びらが大量に残っていたのは()()なんだ。それを『偶然』、『意味はない』と断じてしまうのは早計のような気がする。私はダメ元でアスナに問いかけた。

「わかる?」

 アスナは視線だけをあたしに向けた後、こう言った。

「……アザミの花ことば『権威』、『独立』、『満足』。そして────」






 あたし達は寮へと無言で歩を進めていた。スギタ二等陸尉はあ
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