第六話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -初花-【暁 Ver】
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「八神部隊長が? あたしたち三人をですか?」
あたしとスバルが顔を見合わせる。
「私も詳しくは知らないんだ。なのはと一緒に調べ物をしていたんだけど、はやてのところに911分隊の人が来てて……三人に至急、聞きたい事があるんだって」
直ぐに思い出すことは出来なかったが、片っ端から記憶の引き出しを開けてみて漸く思い出した。『911分隊』。今から数年前にスバルの姉であるギンガさんが所属している『108部隊』から分かれた文字通りの分隊だ。
『108部隊』の人手不足を解消するために殺人、営利誘拐、強盗、強姦などの凶悪事件を専門に取り扱う部隊だったはず。だが、わからない。そんなところの職員が、何故あたし達のところへ……そこまで考えた時、スバルも同じ事を考えたのか、揃ってアスナを見る。
「……なにみてんだ」
あたしとスバルは機嫌を損ねてしまったお姫様を宥めつつ、フェイト隊長に先導されるように部隊長室へと足を運んだ。……ほんの少しの疑問と不安を残しながら。
部隊長室であたしたちを迎えたのは、幾分険しい表情を浮かべている八神部隊長と、如何にも現場叩き上げといった感じの厳つい男性と、線の細い男性の二人。厳つい男性はあたし達の姿を確認すると意外にも……と言っては失礼だが、人懐っこい笑顔を浮かべて挨拶をした。
「いや、すまねぇな。こんな時間に呼び出しちまって。俺は911分隊、リチャード・エヴァットだ。階級は三等陸佐。んで、こいつが……」
「同じく911分隊、サイト・スギタです。階級は二等陸尉」
あたし達もそれぞれ自己紹介した。アスナに関しては何も言わないどころか帰ろうとする始末だったので、あたしが紹介したが。八神部隊長に促されるまま、彼らとあたしたちは来客用のソファへと腰掛けた。スバルは緊張しているのか、落ち着かない様子だ。アスナはスギタ二等陸尉と名乗った男性を少しだけ長く見つめていたが、興味を無くしたように普段の茫洋とした視線に戻していた。そんなあたし達を見ながらエヴァット三等陸佐は少しだけ逡巡した後、こう切り出した。
『ベルンハルト・メッツェルダー』。階級は一等陸佐。42歳。本局勤め。クラナガン某所にて銃……所謂、火薬式の質量兵器にて8発の弾丸を撃ち込まれ、更に大型のナイフで数カ所を刺され死亡。死因は出血性ショック死。
「とまぁ、こんな感じですな。遺体が発見されたのが、今から三日前だ」
銃……質量兵器か。管理局が質量兵器を撲滅すると宣言してから幾星霜。確かに一発撃ち込めば国がなくなってしまうような兵器は根絶されたかのように思える。だが、銃のような小型の火器は犯罪に使用される頻度こそ少ないものの未だに残っている。……麻薬と同じでそれを必要
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