導入編
ロアナプラ編
導入編 5.5-R話 閑話 レインという少女
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ればポテチで」
今日はポップコーンは無い。だからチーズの盛り合わせとポテトチップスの盛り合わせを出す。
「そういえば、イエローフラッグはカクテルやらないの?」
ラグーンとカードを始めたレインが出し抜けに聞いてくる。
「うちの客はそんな上品な物の飲まないからな。なんだ?レイン、お気に入りのカクテルでもできたか?」
こいつがうちに来るのは大体週に一度か二度、稼ぎの総額は知らねぇがよそでも飲んでたっておかしくない。
…アンブレラで情報を買った旅行者が入っても無事に出てこれるような表通りのバーに行ったら、
ジュースとミルクしか出してくれなかったと三合会の仕事の打ち上げで飲んでた時に話して笑われてた気もする。
「この前、ホテル・モスクワの仕事の後に、系列のカリビアン・バーっていうお店で飲んだんだけど、
カルアミルクとかゴディバミルク、あとカシスオレンジあたりがおいしかったよ」
「案の定ジュースかケーキみたいに甘いもんばっかじゃねぇか!ほら、私はスリーセブン(7のスリーカード)だ」
「だね、僕はワンペアだよ」
「残念、絵柄のが強い。俺はジャックのスリーカードだ」
「なら私の勝ちね、Mr.ダッチ。私はキングのスリーカードだから」
「畜生、スロットなら大フィーバーだったのによ」
「レヴィ姉さん、今はポーカー。
バオさん、お代わりをお願い、今度は一番甘いのロックで」
まったく、このお子ちゃま、ミードなら1瓶くらい平気であけるんだからなぁ…
そう思いながら俺はレインに反吐が出るほど甘いミードを出してやった。
「うん、甘くておいしい。カクテルもいいけど、やっぱりここで飲むミードが一番好き」
屈託のない笑顔でレインが笑う。
「…そうかい、ありがとよ」
いっそ、蜂蜜とスピリタスでも混ぜて出してやったら気に入るだろうか。
元は二階に行く客がたまに飲んでいく以外に殆ど売れなかったが、こいつのせいでミードの仕入れ量が鰻登りだ。
まったく、こいつが生きてる間はよく売れるんだろうが、おっちんじまったらあっという間に不良在庫だ。
ミードが日持ちするからと言って、どれだけ仕入れていいものやらな。
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