暁 〜小説投稿サイト〜
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Secret of kings 王達の矜持
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吐き出した。

「諦めるとは、らしくないな。卿よ」

そんなレンに向かって、その男は言う。

「ヴォルティス……卿………」

かつて《白銀の戦神》と呼ばれた男は、不敵に、獰猛に、笑った。










「ふむ、大事無いようだな、卿。聞いていたよりも元気そうで、我は嬉しいぞ」

そう言い、《白銀の戦神》ヴォルティスは、かっかっか!と豪快に笑って自らの得物を構え直した。懐かしいその姿に、思わず涙腺が決壊しそうになる。

「なっ、なんで!ヴォルティス卿がここにっ?」

頭の中では、分かり過ぎるほどに分かっている。

今となっては、遥か昔だと思えるほどに昔。ルグルー回廊の中でテオドラが言っていた言葉。

そう、そうだ。彼女は言っていたではないか。はっきりと。これ以上ないくらいに、はっきりと。

ヴォルティス卿が向かっている、と。

ヴォルティスという男の実力は、SAO時代から桁が一つか二つ違っていた。

戦神、という二つ名から察する通り、彼が編み出した独自のシステム外スキル《剛法(ごうほう)》は一層のフロアボスクラスならば余裕で一撃で葬れるであろう実力を誇っていた。

加えて、システム上で規定されたユニークスキル《戦神斧》は一撃必殺をその信条とした物だったので、まさしく戦神にはうってつけであったものだと思われる。

その圧倒的な、文字通り神の如き実力を持って、彼は六王第一席たりえたのだ。幾人もの死亡者を経て、幾回も世代交代をしてきた六王の中で、生き残ってこられたのだ。

そして、その実力をもってして、レンを現実へと引きずり戻さんがために。

「僕を……連れ戻しにきたの………?」

口から突いて出たような、陳腐な問い。

だがその問いに、白銀の男は金色の瞳をただ向けた。その瞳には、何とも形容しがたい光が浮かんでいた。迷うような、そんな光が。

「うむ、我もそうしに来たのだがなぁ」

「……………?なに?」

二メートルは軽く超える偉丈夫は、応えの代わりに己の背後を首を巡らせ見た。それに従って、レンもつられたように背後を見る。

今や完全に撤退が完了し、誰もいなくなったはずの、外界からこの異界のドームに入るためのただ一つの門。

そこに、()()

一人は、目を引くチョコレート色の肌に艶やかな闇色の長髪を頭頂部でまとめている女性。

日本人離れしている顔立ちから放たれている目線は、可愛らしいという評価よりもどちらかと言うと凛々しい、という表現が正しいように感じられる。

その名はテオドラ。六王第五席《柔拳王》テオドラ。

体術のスペシャリストにして、システム外スキル《柔法》を身に着けている。

そして、もう一人は───
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