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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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たはじめはそれをガイの方へと投げ、すささささとマナはあっという間にはじめ、ネジ、リー、を追い越しガイへと飛びついた。ガイは干し肉を持った手を振り回しながら全力疾走する。
 そうこうすること約五分、終末の谷にたどり着いたガイは干し肉を思い切り投げた。投げられた魚を飛び上がって受け取るアザラシさながらにジャンピングし、がぶっと干し肉にかぶりつき――そして戦いのど真ん中に墜落した。

「な、オイどうする!」

 三人の、自分たちと同じくらいの年の少年少女だった。ハッカ相手になんとか戦ってきたのが、一気に七人も加勢してきたのだ。取り乱したねこっ毛セミロングの少年を片手で制し、ウエーブした髪の少年は軽く首を傾げた。

「――どうする……か。心配……するな」

 その少年が目を瞑る。リーダー格らしい彼に襲い掛かろうとするハッカを、「させない!」とくすんだ紅い髪の少女がクナイで応戦する。そのクナイを持つ手を掴んで少女を投げ飛ばすのとほぼ同時に、しゅっと岩壁から五つの影が現れた。

「忍法・音寄せの術」

 リーダー格の少年がうっすらと笑った。子供が三人と、大人が二人というのはこちらにあわせているつもりなのだろうか。投げ飛ばされた少女が背の高い女に受け止められる。

「大丈夫、サンカ?」
「レミ先生! 巻き物を先に持って帰ってください!」
「そうはさせないわよ!」

 テンテンが叫ぶのと同時にクナイを放った。恐ろしく的確な狙いでサンカの手の甲を打つ。その手から巻き物が落ちた。しかしそれを今度はセミロングの少年が拾い、そして彼はそのまま踵を翻そうとする。

「――逃がして、たまるかっ!」

 巻き物が相手の手の内にある間はこの繰り返しだ。指先から放出したチャクラ糸を網のように交差させ、ドーム状に谷を覆う。 
 そして戦闘が始まった。狐者異の巻き物を巡って。

 +

「このアマぁ……よくも私の右手を! 覚悟なさいッ」

 サンカが傷を受けていない左手一本で手近な大岩を掴み、そしてそれを高々と天に掲げた。チャクラコントロールの上手い人間はチャクラを手に集めることで怪力を発揮することが出来ると言うらしいが、これはチャクラを使ってはいなかった。くすんだ紅毛が陽光に照らされぎらぎら光る。

「――まさか」

 サンカが岩を投げた。恐ろしいスピードを持ってして飛んでくる大岩から、相当力を込めて投げられたのだろうと想像がつく。逃げなきゃ、とテンテンは自分に言い聞かせた。しかし体は中々思うように動いてはくれない。
 ――動いてよ!
 心の中で悲痛な叫びをあげるも、足が動かない。いや、動いてはいる。しかしその動作はひどく緩慢だ。――テンテンの動作が緩慢過ぎるのか、岩が速すぎるのか? それすらもわからないままに逃げ出そうと
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