第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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おっとまったああ!」
がちゃっとドアを開け放ち、ずかずかとマナが中に入っていった。ハッカたちも慌てて後に続く。唖然とした表情の火影に向かって、マナは大声で言い放った。
「その任務、アタシが受けさせてもらうぞ!」
「……なっ、」
「よくよく考えて見りゃあアタシは狐者異のこと何も知らねえし、狐者異がアタシ一人になった今、狐者異のことが知られて一番危ないのはアタシだ。自分の身に降りかかるキノコは自分で食べる、それがアタシの忍道! ――アタシが自分でなんとかする!」
暫しの静寂。そしてはじめの一言と、ユヅルの突っ込みが入った。
「自分の身に降りかかるキノコは自分で食べる――自分のことには自分で責任を持つということか」
「マナ。それを言うなら、自分の身に降りかかる火の粉は自分で振り払う、なんだけど。つーかはじめも納得しないで」
「……じゃが、マナよ――」
思わぬ助け舟は、火影室の外からやってきた。
「火影様! その任務、我らと彼ら九班で受けましょう!!」
振り返るとそこには真緑の全身タイツの男が立っていた。その後ろにはいつぞや無銭飲食した時に投げ飛ばした体育会系先輩と、苦労性な暗器使いの先輩と、八卦六十四掌でズタズタにしてきた体術系先輩もいる。
おお、とハッカが目を見開いた。ガイも目を瞠る。
「ハッカ! 我が青春の盟友よ!」
「おお、ガイよ!」
たたたっと走りあった二人がぎゅっと抱擁しあうさまは正直暑苦しくむさ苦しい。激太の眉の黒髪おかっぱ真緑全身タイツと、背高黒髪長髪赤いシャツの二人が抱き合っているのだ。テンテン及びユヅルの顔が青くなり、「うおーっ! これぞ青春!」とリーは感極まり、ネジはまるで「俺はこいつらの知り合いじゃありません」とでもいうかのように目を逸らし、それを見たはじめがそれを真似て目を逸らす。紅丸は怯えて縮こまり、マナはぽかんとそれを見上げる。
ガイはガタイがよく筋肉もたくさんついているいかにも暑苦しそうな外見で、ハッカは痩せていながら肩幅は広く背はずばぬけて高い。そんな男二人の抱擁は、さぞかし年頃の少年少女に強烈なインパクトを与えたことだろう。
「話は聞いたぞ!! 自分の身に降りかかるキノコは自分で食べる、か! 素晴らしい! 素晴らしき忍道だ!!」
「ええ! なんかちょっと違うような気がしますが、素晴らしい忍道です!」
「……だから自分の身に降りかかる火の粉は自分で振り払うって、あっちの子もいってたでしょ……」
感動しているらしいガイに突っ込むテンテン。こんな先生だけどよろしくね、とこちらに向き直って笑う。
「…………」
尚も唖然としている火影に、笑いながらガイが宣言した。
「ということで火影様、この任務は我ら三班及び九班が受けまし
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