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動乱
剣のバカ
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させていただいております。」

ここに連れてこられた理由がわからず緊張するアレン。
訓練生時代に礼儀作法の授業を真面目に聞いていなかったツケが回ってきているのだ。

「アレン殿。楽にしていただきたい。貴殿は客人として招いているのだから」

だったらあなたの両脇に立つ厳つい人をどうにかしてください。
あと背後の扉前に立ってこっちを睨みつけているアーニャさんをどうにかしてください。
そして部屋前で見張ってるエレナさんを別の場所へやってください。
言いたいのを堪え

「こういう場に慣れてないもので・・・」

背後から溜め息が聞こえたが気のせいだろうか。

そしてイスマイルがにこやかに口を開く。

「ここにお招きしたのは貴殿にお渡ししたいものがあるためなのだが、その状態では些か難しいかな?」

アレンは苦笑いを浮かべ首を振るも

「だったらその緊張を解きほぐすために運動をしようではないか!」

イスマイルはただ単に戦いたいだけである。
剣士を見ると手合わせしたくて我慢出来ない性分だ。

アーニャは額に手を当て またか と呟く。
適当な理由をつけて手合わせしたかっただけに違いない。

そしてイスマイルは部屋の右手奥にあった扉を開け放ち木剣をアレンに放り投げる。

「さあ!こちらへきて手合わせしようじゃぁないか!」

「嫌なら断ればいいのよ」

とアーニャはアレンに告げるもアレンは目を輝かせ

「是非!」

と小躍りするように出ていった。

「しまった。あいつも剣馬鹿だった」

頭痛でもするのか眉間を指で揉みながらアーニャも後に続いた。



イスマイルとアレンは剣を構え向き合う。
いつもは大剣だが今日は普通の剣を持つアレン。

「なかなかいい構えだ。さすがだね」

イスマイルはにこやかに告げる。
彼は元冒険者であり上級者にあたる。
実戦から離れているもののこうやって強そうなやつを見付けては手合わせをしているためか衰えはみられない。

「さて始めようか。イザック、合図をしてくれ」

イザックと呼ばれた厳つい男はわかりましたと手を上に挙げる。
そして降り下ろすと同時に声をあげる。

「はじめ!」

最初にイスマイルが動き間合いを詰め剣で突く。
それをアレンは剣で逸らし右足で蹴りを叩き込む。
イスマイルがそれをバックステップしながら左手で防ぎ威力を殺す。
アレンも追い討ちをかけるように前に出て横凪ぎに剣を振るうも防がれる。
そしてその状態のままイスマイルは

「思ったよりやりますな。こりゃ簡単にはいきそうにないね」

アレンの剣が押し返され柄の部分で胸を打たれる。
そしてイスマイルの剣が降り下ろされるがアレンは避けることなく前に進
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