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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第三章:蒼天は黄巾を平らげること その3
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柔らかさを伝えてくるのだ。
 今度こそ溜息を、それももどかしいものを漏らした仁ノ助は、煩悩を振り払うように吉野に鞭を入れた。

「目標確保ォ!!騎兵隊、退けぇ!!」

 あらん限りの声をあげて剣戟が響く戦場に命を出す。彼の声は確かに伝わったようで、騎兵隊各位が馬を返していった。彼らが走り去った後には一筋の退却路が出来ていた。

「お二方、私の後ろにお続きください!!」

 蛮刀を横に構えて曹洪が馬に鞭を入れた。後ろ足をあげて甲高く嘶いた後に馬は走り去っていき、それに孫策と黄蓋が続いていった。
 残された仁ノ助は後ろから抱きつく孫堅に言う。

「飛ばしていくぞ、嵩蓮。援護を宜しく」
「あぁ。お前の手綱さばきにも期待しているぞ」

 孫堅はさらに強く抱きついてきた。最早狙っているとしか思えないほどの抱擁であり、もしかしたら意味深に微笑を漏らしているのかもしれない。期待に応えない訳にはいかなかった。
 吉野の腹を強く蹴ると、彼はその意をはっきりと汲んで疾駆していく。横切っていく風によって体に付着した赤い体液が飛んでいく。まるで洗われていくようだ。目を細めながら彼は吉野の手綱をさらに強く握りしめていると、孫堅が背後から叫んできた。

「おい、仁ノ助!!!」
「なんだ!?」

 剣戟と雄叫び、さらに断末魔が響くこの場では大声で叫ばないと相手への意思疎通もままならない。また、一騎で駆け抜ける自分達に目を付けた賊共が先ほどまでのお返しとばかりに、または地獄への道連れといわんばかりに一斉に武器を向けてくる事もあって集中せねばならない状況である。出来るなら反撃のために武器を振るったままでいた方が安全に思えるのだが、しかし言葉を返さない訳にはいかない気がしたため、仁ノ助は律儀にそれを返した。

「こんな死中をよくぞ掻い潜って、私達を助けてくれた!お前が来なければどうなっていた事やら分からぬ!そこで言いたい事がある!」 
「簡潔に言ってくれ!今は結構いそがしい!」
「一度しか言わんから聞け!この礼は弾むぞ!!」
「・・・そいつには期待してもいいんだよな!?」

 彼の疑問に、孫堅は刃をさらに振るうことで応えた。顔に返り血がついたままの彼女は敵方の剣戟が向かってこない一瞬を縫うと、仁ノ助に甘く艶やかに囁いた。

「ああ、愉しみにしておけ」

 腹にしがみついている片手がしなやかに仁ノ助の下腹部まで下ろされて、長旅の御蔭で鍛えられた腹筋を抱くと、背中から女性の象徴をさらに押し付けてくる。孫堅は何かするには難しい恰好であるのに、器用にも賊を斬捨てる作業に戻っていった。
 仁ノ助は本能的に大きな期待を抱いてしまった。先程のはもしかしたら、夜の営みへの誘いなのだろうか。仕方がないかもしれないが、その手のものに対して無意識に大
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