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IFのレギオス そのまたIF
アナザーレコード アルマの手記
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。だが相手からこちらに好意を持ってもらうにはこちらを知って貰わなければならない。その為にはどうすればいいかを……ああ、なら確かに相手を理解するのが一番と言えるな。アルマの言うとおりだ。愛すればこそ、相手を理解したいと思わずにはいられないものだよ」
「あい……」
「大事なものだよ。何かを知りたいと思うなら避けられない。或いは、知りたいと欲する気持ちがそれなのかもしれないな」






 そんな日々を過ごしアルマはすくすくと育っていきました。
 家の中でアルマに解体されなかった機械は既になく、家の外でアルマが好きになれなかった人もいませんでした。
 好奇心旺盛で活動家。愛に満ち溢れた利発的な美少女。
 両親は共に互の良い部分を受け継いでくれたと、そう思いました。
 その裏にあるモノに、生まれながらに受け継いでいたモノに二人は気づけませんでした。




 その欠片に気づけたのは、偶然だ。
 その欠片に気づいてしまったのは、単なる不運というしかない。何故ならその芽は取り除くには遅すぎ、気づくには早すぎたから。
 学校で出た将来の夢という課題。何をしたいのかを考えてくるというそれを親に話した時のことだ。
 なりたいものないというアルマに両親は特になにも思わなかった。幼い子供では明確ビジョンなど描けない。だからこそ二人は、切り口を変えた。

「なら何かしたいことはないのか。すると決めていることでもいい」
「したいこと、かぁ」
「好きなことや興味を惹かれることでもいいわよ。何かないの?」

ソファーの背もたれに体を預け、天井を仰いでいたアルマはグッと伸びをし、勢いを付けて姿勢を戻す。その顔にはひどく楽しげな表情が浮かんでいた。

「あるよ!」

 両親は気づくべきだった。”それ”を当然のものとして生まれ持ってきた少女はただの一度も隠そうとはしてこなかった。だからこそ少女は純粋なまま、無邪気さを備えた笑顔を浮かべられたのだから。
 両親は考えるべきだったのだ。互の良いところを受け継いだ子だと思ったのなら、気づく余地はあった。良い、で止めるべきではなかった。もし科学者が昔のままならば思考を止めず気づいていただろう。一人の特別を決める前の武芸者なら、その人を見渡す瞳で気づけたはずだ。――――世の中に良いだけで終わるものなど、ないということを。

 アルマ=カルマは。人懐っこそうな綺麗な顔をした武芸者の少女は、両親に対し楽しげに言い放った。

「私はね、大好きな、私の愛する人たちを少しでも理解(バラ)したいんだ」

 狂気(-)と、女神(+)。掛け合わさった結果は極大の-。
 興味のままに倫理を踏みにじる好奇心。その為の重いを尊いとする、深く平等な愛。
 当時起きた一件の動物解体事件。その下手人の
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