救えない命〜
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「アリエッタは絶対にアニスを許さない!・・・絶対に・・・!!」
そう言ってアリエッタは走り去ってしまう。・・・今のアリエッタに、真実を伝える覚悟が・・・なかった。その時、
「待てよ、アニス!」
俺の横を通ってアニスも走り去る。
「サキ!アニスを追ってくれ!」
「あ、ああ!」
アニスを追いかけ、途中見失いながらも教会の隅で座り込むアニスを見つけることができた。
「アニス・・・」
「・・・イオン様は」
「え?」
「イオン様は・・・ある日アリエッタを導師守護役から解任して、何故か私を導師守護役に選んだ。・・・子供で大した実績もなかった私はいじめにあったりもした・・・」
「・・・うん」
アニスの隣に座る。
「それをどこかで聞いたイオン様はみんなの前で私のことで怒ってくれた。私が失敗しても、イオン様は笑って何も気にしなかった。私のやること全部に、イオン様は興味を持ってくれた」
「・・・そうなのか。でも、仕方ないよ・・・親を人質にされてたんだ」
「違うの!私は・・・私は最初からイオン様を裏切ってたの!モースに全部教えるように言われて・・・戦争を止めようとしたことも、ルークたちといたことも!モースは信じなかったけど、サキのことも・・・!」
「・・・そうだったのか」
じゃあ、ジゼル達は闇のことを知っているのか・・・詠のことも・・・
「だからっ!タルタロスが襲われたのも、六神将が待ち伏せしてたのも私のせいなんだよ!」
「・・・まさか、それも両親を?」
アニスは小さく頷いた。
「・・・パパ達、人がいいでしょ?私がうんと小さい頃、騙されてものすごい借金作っちゃったんだ。それをモースが肩代わりしたの。だからパパ達は教会でタダ働き同然で暮らしてたし、私も・・・モースの命令に逆らえなかった・・・」
「・・・」
ふとアニスと愛依が重なる。・・・愛依も、嫌なのに逆らえなくて・・・
「ずっと嫌だったよ・・・イオン様ってちょっと天然って感じで、騙すの辛かった・・・」
「・・・ああ」
俺ができるのは、アニスの言葉を聞いて、受け入れてやること。
「だけど私・・・パパもママも大好きだったから・・・だから・・・」
「・・・でも、我慢してたんだろ?・・・偉かったな」
遂にアニスは泣き出してしまう。
「偉くない!全然偉くない!私・・・私・・・イオン様を殺しちゃった・・・!イオン様・・・私のせいで・・・死んじゃった・・・!」
アニスが俺に飛び付いてきて、ひたすら、泣く。
「・・・アニス・・・そうだ。ルークから、これ」
俺はあの間にルークから預かった物を渡す。
「・・・これ」
「イオンが詠ん
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