第三話 〜アスナが勧誘されるお話 前編【暁 Ver】
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、話に出てきた彼女ように訓練校などの入学規制が緩和されたり、昇級試験などの際に優遇される。はやて自身も恩恵を受けた一人だ。
ティアナは「そんな事を抜きにしても」と語る。自分たちもそして訓練校の仲間や教官も含めてみんな彼女の事が大好きだった。誤解されやすいが、感情を表に出すのが苦手で人見知り。他人の目を全く気にしないから、あられもない格好でウロウロしているのを私とスバルで慌てて保護したり、お兄さんとの連絡を毎日欠かさず、それを揶揄うと顔を真っ赤にして。そして───── あり得ないほど強かった。
途中だった食事にも手をつけず、何かを考え込んでいるような仕草をしている自分の上司を見ながら、ティアナは内心で舌打ちをした。些か『喋りすぎた』か、と。彼女が、訓練校卒業後に辞めていった理由もティアナは何となくではあるが察していた。彼女の『兄の力になりたい』という思いは、既に達成されている。管理局に居続けるメリットはない。ティアナは悪い予感しかしなかった。取り敢えず内心で、目の前にいる可愛らしい上司が強引な手段に出ないことを祈ったが──── その願いは虚しくも裏切られることになり、ティアナはこの時の自分を全力で張り倒したい衝動に駆られる事になる。
訓練校時代に変わり者として名を馳せていた彼女は、その比類なき強さ故に天才とも呼ばれていた。馬鹿を言うなとあたしは思う。恐らく、スバルも同じ気持ちだろう。確かに彼女は、天才の類いなのかも知れない。元々、身体能力もずば抜けて高かったと聞いている。だけど、彼女は才能の上に胡坐をかいてなどいない。彼女の体には目立つ物はないが、数多の傷が確認出来る。手の皮膚は硬くなってまるで男性の手のようだった。そんな手を一人きりになると少しだけ残念そうに見ていることなど──── 誰も知らないだろう。
あたしとスバルは六課に来てから日は浅い。目の前にいる上司の人となりは好ましいと思うが、時として強引な手段を使う人であるという噂だ。六課の設立自体が『そう』だと聞いているし、一部隊を知り合いで固めてしまうなんて普通は出来ないはずだ。現に、なのはさんとフェイトさんは出向扱いで六課に来ている形だ。実験部隊という側面はあるだろうけど……いけない、思考が逸れてきた。要は強硬な手段に訴えて彼女を引き込む可能性も否定できないと言うわけだ。
久しぶりに懐かしい娘の話が出た。ちょっと怖い感じだった頃のティアとあたしは、もっと『怖い』娘と出会ったんだ。それが彼女だった。数え切れないくらいのトラブルを巻き起こしたし、あたしもティアも巻き込まれた。うん、だけどそれが楽しかった。ティアもきっとそう。絶対に否定するだろうけど。紆余曲折あって、あたし達三人に『もう一人』加わって……横道に逸れながら卒業まで四人
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ