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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第6話 「伊達に毎日走らせてはいないのだ!」
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新規の駐屯所用にしようと思いまして」
「……ほんと、気がつく人だよね、馬正は」

 この馬正が二年ほど前まで敵だったなんて、今では全く影も見えない。
 むしろ長年の知り合いのような気さえする。

 武や知は、愛紗たちや朱里たちには遠く及ばないかもしれない。
 だけど組織の潤滑油として、気配りができる馬正は梁州の最も重要な土台だ。

 縁の下の力持ち――まさしく馬正こそが梁州にとって、そして俺にとって添え木とも言える存在なんだ。

「……ありがとうな、馬正」
「ははは。いきなりなんですか。改めて礼などおっしゃらないでください。我が主」

 そう言って笑う馬正。
 髭もないその顔は、この二年で少し精悍な顔つきになっている。

 実は年配の女性からの受けもいいらしい。
 渋い顔に堅実な仕事ということで、意外とモテている。

「連合で董仲穎殿を助けたら、みんなで宴を開くとしよう。その準備もしておいてくれ」
「はい、了解しました…………ですが、主はあまり飲まれませんように」
「わかっているよ。その時は、星に要注意な」
「は。いざとなれば警官隊で押さえ込みましょう」
「……なるほど、その手があったか」

 お互い真剣な顔で話して――ぷっと吹き出した。




  ―― 孔明 side 新野近郊 ――




 漢中を出発してから十日が過ぎました。
 さすがに愛紗さんたち一騎当千の豪傑が鍛えた軍です。

 本来は一日の行軍距離は、八十里(四十km)がいいところ。
 ですが、私達の軍は輜重隊ですら百里(五十km)を一日で走破しています。

 鈴々ちゃんの第二軍など、毎日の行軍速度が遅すぎるのでと、周辺の斥候を兼ねて訓練するぐらい。
 第二軍だけなら、新野までの約八百里(四百km)を五日ぐらいで走りきるかもしれません。

「伊達に毎日走らせてはいないのだ!」

 そういう鈴々ちゃんは元気一杯で、誰よりも先に走っています。
 私なんかじゃとてもついていけません。

 私達が新野につくと、合流予定だった劉表さんがすでに陣を張って待っていました。
 私達はここで劉表さんと合流した上で、連合の集結地となった許昌へと向かうのです。

 それは周囲に『南に三州同盟あり』ということを喧伝するため、私と雛里ちゃんから劉表さんへお願いしたことでした。
 劉表さんはこの要請に二つ返事で了承し、ここで合流したのです。

「……まさか二万を越える数で来るとはの。しかも、予定日を数日繰り上げての到着とは……」
「天候にも恵まれましたしね。雨を見越しての日程でしたから」

 劉備軍を見ながら唸る劉表さんに、ご主人様が答える。
 劉備軍の出兵総数は、二万五千。

 しかも、梁州に予備
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