反董卓の章
第6話 「伊達に毎日走らせてはいないのだ!」
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けることができなかった。
―― 盾二 side 漢中 ――
出発の日。
目的地は、連合集結場所として指定された宛のはずだった。
だが――
「……は?」
「ですから……集合場所が変更になりました。宛でなく、許昌に向かうそうです」
「……なんで?」
思わず素で朱里に尋ねてしまった。
「それがそのう…………私にもわからないんです。ただ、劉表さんからの連絡で、東の許昌に集合と……」
「許昌……確か、曹操のいる陳留からそう遠くない場所だよね。確かに大軍が布陣できそうな平野が多い場所だけど……」
わざわざ洛陽から離れた場所に集合って……どういうことだ?
南陽周辺だって大軍を置いておける場所はいくつかある。
しかも洛陽に進軍する際に、進軍を妨げる場所は大谷関のみ。
大軍が集結して平野で決戦するとしても、あそこから攻めるほうがいいのではないだろうか?
「…………雛里、許昌周辺の地図を」
「はい…………これです」
「………………!? そうか、陽人か!?」
許昌の西にあるのは陽人……連合の孫堅と董卓軍がぶつかった地だ。
だが……その付近だからというのはこじつけに過ぎる気もする。
なぜなら孫堅は……
「……陽人が、どうかしたんですか?」
「あ、いや……」
たしかに反董卓連合において、陽人の戦いは歴史上意味のある地だ。
それまで劣勢だった反董卓連合の分水嶺にもなった場所。
ゲン担ぎには最良かもしれない。
だが、何故袁紹がそんなことを知っている?
…………いや、違うな。
これもおそらくはあいつら――仙人たちの入れ知恵。
ということはやはり、連合内部にも仙人たちの手が入っているのか……
「…………ともあれ、集合場所が変わったのならば仕方ない。糧食の方は?」
「十分に余裕がありますから何とかなりますが…………連合での戦いが長引くと、まずいかもしれません」
「そうか……なら、やはり馬正には残ってもらって糧食を集めてもらうとしよう。輸送には警邏隊を使って後から合流ということで」
「わかりました。馬正さんを呼んでおきます」
そう言って、朱里は伝令を呼ぶ。
しばらくして宰相室に顔を出した馬正に、俺は指示を伝えた。
「承知しました。商人を使って糧食の確保に努めましょう。補給は私自ら率いていきますゆえ、ご安心ください」
そういって馬正が、自身の胸を叩く。
俺は頷いて、その馬正の肩を叩いた。
「馬正なら安心だ。任せる。とりあえず余剰の金塊を使ってもいいから、食料を集めておいてくれ」
「は。実は、念のためにと巴郡から戻る商人に、糧食の都合を頼んでおります。必要なければ
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