流星
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「……それは、その……なんといいましょうか……」
夜天月はもじもじとしながら指を組んだり閉じたりし始める。さらに響をチラチラと見ながらしているため、響からすればイラついてしょうがない。
「だぁー!! まどろっこしい、さっさと言えや!!」
ついに我慢の限界を迎えた響が夜天月に詰め寄ると、彼女もいよいよ観念したのかおずおずと告白しはじめる。
「……本当に言いづらいことなのですが……あの時私が止まってしまったのは……整備不足なのです」
「は? せいびぶそく?」
返って来た言葉に響は若干声を上ずらせながら反応してしまった。
「その、マスターは私を手に入れたときから一回も私を整備しておりませんよね? それが原因かと……」
「え? ちょっとまて? ISって自分で整備すんの?」
「普通はそうですね。ただマスターはその辺りに疎い様なのでお友達や先生方にやってもらえばよろしいかと……ってどうかしました?」
響のほうに目をやると彼女はしゃがみこみながら頭を抱えて悶えていた。
……やっべー、自分の整備不足で大怪我するとかアホらしくて涙が出そうだぜちくしょう!!
普段の響からは考えられないほど、今の彼女は悶え苦しんでいた。恥ずかしさで。
しかし、そこで夜天月が声を上げた。
「マスター! 大変です!!」
「ほえ?」
「気の抜けた返事なんてしてないで聞いてください!! たった今マスターの友人たちが福音と接触しました!!」
その言葉に響が目の色を変える。同時に憎憎しげに顔を歪ませる。
「あの馬鹿共! 夜天月!! さっさと起動コードを教えろ!!」
「わかりました。起動コードは『天翔流星』です。あとマスターの体の中に医療用ナノマシンを注入しておきましたので、傷はほぼ回復しています」
「ありがとよ。でも福音の場所は――」
響が言いかけると、夜天月はにやりと笑い、
「ご心配なく、既に探知済みです。私もアレに勝ちたいので」
「――いい心意気だ。じゃあ、行くか!」
響は高らかに宣言する。
響は目を覚ました。
「ここは……現実か。傷は――」
彼女は怪我をしたであろう腕や足を動かしてみるが痛みはなくなっていた。拳を握り締め力を確認しても元に戻っているようだ。
「夜天月の言ったとおりか……うっし!」
響は立ち上がると体に巻かれている包帯をすべて取っ払うと、窓を開け放ち外に飛び出した。そのまま彼女は海岸まで走る。
……よし体は何とかなりそうだ。問題は――。
「整備してない夜天月が持つかどうかか……」
響はそれが気がかりだった。あの場では一瞬止まっただけ
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