流星
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る?」
明るい雰囲気をかき消すように響が夜天月を見据えると、彼女もまた目を細めながら話を始めた。
「銀の福音と戦って私が動かなくなり、マスターが大怪我を負ったことは覚えていますね?」
「ああ。つーかどうしてあの時動かなくなったんだよ」
「それはあとで説明いたします。今はそれよりも重要なことを貴女に伝えねばなりません」
「重要なこと?」
響が怪訝そうに聞くと、夜天月は近くにある岩場に腰をかけながら言葉をつなぐ。
「マスターはまだ私の真の力を発揮していません」
「真の力ってーと第二時移行のことか?」
問いに対し、夜天月は首を横に振る。
「いいえ、第二次移行ではありません。今の形態の状態でまだ解放されていない力があるのです」
「今の状態で? つか、まどろっこしいからさっさと教えてくれや」
「……それもそうですね。私には紅椿と同じ展開装甲が搭載されています。まぁ紅椿の翼のように広がるわけではありませんが」
響は紅椿の展開装甲の形状を思い出していた。確かに言われて見れば、紅椿の展開装甲は翼のような形状だった。
「じゃあどういう形なんだよ」
眉をひそめつつ響が聞き返すと、
「……」
夜天月ははとが豆鉄砲を食らったような表情をしていた。
「なんだよ」
「あ、いえ。随分とあっさり信じてしまうのだと思いまして」
「はぁ? 信じるに決まってんだろうが、お前は夜天月自身なんだろ? だったら自分のことを嘘なんていわねぇだろ」
響は肩をすくめながら夜天月に告げた。それに、多少驚きながらも夜天月は頷くと話を続ける。
「えっと、形はですね……現在ある装甲の下に組み込まれています。簡単に言ってしまうと装甲が開いてその下に展開装甲が組み込まれています。わかりました?」
「ようは、装甲の下にさらに装甲ってことか?」
「そんなもんです」
夜天月は適当に言い切るが、響はさらに聞いた。
「そんで、その展開装甲はどうやったらだせるんだ?」
「簡単です。起動コードを言ってくれればすぐにでもできます」
あっけからんとした様子で夜天月は告げた。あまりの軽さに微妙にこの夜天月をことを疑いたくなった響だが何とかそれを押し殺した。
「起動コードは今じゃなくてもいいが、一番聞きたかったことがある」
響は夜天月を見据えると、夜天月も響の意図を感じ取ったのか静かに頷く。
「あの時何故私が動かなくなったか、ですね?」
夜天月の問いに響は無言のまま頷いた。
「おそらくマスターは篠ノ之束がやった、とでも思っているかもしれませんが……それは違います」
「じゃあなんだってんだ?」
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