第七十話 暴虎馮河の勇
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ス部隊であっても妨げきる事などできない。数少ないファントムペインの部隊は一機、また一機と撃ち落とされるが、それに怯むことなく決死の覚悟で敵の動きを止めていた。
「クソッ、邪魔をするなァ!」
そして、当然それらの相手に対応するのはジュール隊の隊長であるイザークのグフだ。四連装ビームガンが狙いを定め、敵であるスローターダガーに向けて放つ。スローターダガーはシールドを正面に構え、そのままビームカービンで反撃するが、イザークはこれをすり抜けるように躱し、通り過ぎる瞬間にビームソードで真っ二つにした。
『死ねよォッ!』
イザークがそのまま別の機体に攻撃を仕掛けようとした瞬間、アウルの動かしているG‐Vのインコムとビームカノンがイザークのグフを狙い撃つ。いきなりの攻撃だが、イザークは咄嗟にそれを回避してお返しとばかりにスレイヤーウィップを放った。
「フン、その程度で!各機、隊列を乱すな!この青いMSの相手は俺に任せろ!砲撃隊、コロニーレーザーへの攻撃は一点に集中させるんだ。周りはその部隊の援護に回れ!間違っても砲の正面に立つな!いつ発射されるかもわからん砲撃に呑まれることになるかもしれんぞ!!」
イザークが指示を手早く繰り出すことで後ろのコロニーレーザーと正面の敵を前にして混乱に陥っていた部隊を立て直させる。
(この様子では少し間に合わんかもしれん……ええい、弱気になるなイザーク・ジュール!己は何のためにザフトの軍服を纏っている!このような事態を解決する為だろうに!)
一瞬コロニーレーザー発射を止めることが出来ないかもしれないと弱気になるが、そうならないようにしてみせると決意を再び固め、今は目の前の敵に対応する。ディアッカの方もエミリオのロッソイージスと相対していることから敵の首級の動きは止めれている。
『お前ら必死すぎなんだよ!そんなんじゃあ格好悪いってねェ!』
「格好で勝敗が決まるわけではない!」
互いの剣がシールドによって防がれ、アウルとイザークは互いの機体をぶつけ合う。推力や運動性を含め、スペック上は近接戦向けのグフよりもG‐Vの方が全体的な性能で上回っている。しかし、イザーク自身のパイロットとしての実力がそれを補っており、若干押されつつも食い込んでいた。
「これでェ!」
『なッ!?』
両者が弾かれ距離をおいた瞬間を狙い、左手からスレイヤーウィップを放つ。一見それは見当違いの方向へと向いているかと思われたが、その攻撃の狙いはインコムのワイヤー部だった。そのままG‐Vを引っ張るようにスレイヤーウィップを回収させ、G‐Vの体勢を崩させながら自機へと引き込む。
無論、綱引き勝負になれば全体的な性能で優っているG‐Vの方が勝つのだが、それを見越してイザークはワイヤー部を狙ったのだ。ワイ
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