第101話
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ってしか進む事が出来ない。
俺はこんな面倒な街には住みたくないな。」
「あはは、まぁ麻生さんの言っている事は概ね合っています。
これだけ運河で分断されているという事は、歩いて進むなら橋のある所まで迂回しなければなりません。
船を使ったら使ったで、今度は運河に沿ってしか進めません。」
「これなら全部道路にした方が楽だな。」
麻生の言葉に五和は苦笑いを浮かべる。
五和もそう思っているので何とも言えない。
軽く街について説明しながら二人は通りを歩いていく。
どうやらこの街は、極端に道が細いか太いか、ほとんど二択に近い状態になっている。
車が行き交うのも難しそうな小道を出たと思ったら、今度は道幅だけで広場のようになっている大通りが待っている。
麻生と五和が歩いているのは大きな通りで、三車線ぐらいありそうな道幅だが、道路には白線はない。
車道と歩道の区別もなく、道いっぱいに人が歩いていた。
どちらかと言うと歩行者天国に近いのかもしれない。
道の左右には赤茶や黄色い建物が並んでいた。
三階から五階ぐらいの高さの建物は喫茶店や料理店らしく、お店の二階部分から張られたテント状の陽射し除けが、建物の幅そのまま伸びて、オープンカフェのスペースを完璧に覆っていた。
通りに面したお店が全てパラソルなり陽射し除けなりを使っている為、通りの両サイドは布でできたアーケードかトンネルのようになっている。
ここは飲食店が集中する一角らしい。
「此処でご飯にするのか?」
麻生は飲食店が集中している事に気がつき、五和はここで昼食にするのかと考えているのだと思ったのか、質問する。
「えっと、もうすぐ麻生さんの宿泊する部屋に到着します。
そこで荷物を置いて・・・・その・・・僭越ながら昼食は私が作ります。
私達、天草式は今は鍛練中で決まった食力を決った食事作法で採らないといけません。
どこかの店で食事をすると、麻生さんだけ食べる事になって非常に食べずらいでしょうから、一緒に食事を採った方が早いかと思ったのですが・・・・」
五和はちらちらと麻生の顔色を窺いながら言う。
確かに今は天草式は鍛練中だ。
五和が言った事も嘘ではない。
(建宮さんや他の皆がこう言えば二人っきりで食事を採れるぞ、って言ったけど。
って、二人っきり!!!???
あわわわ!!!)
やっと落ち着いてきたのにまた取り乱す五和。
(落ち着くのよ、五和!!
まだ、麻生さんが良いとは言ってないじゃない!
それはそれで哀しいけど。)
突然、取り乱したと思えば、しょぼ〜と負のオーラを漂わせる。
傍から見れば凄く怪しい人物に見えたに違いない。
「俺はそれでも構わない。」
「そうですよね、私の料理なんかより、
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