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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
天上天下
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うか。そして、そこから誕生したのは最低でも二つの存在。
《
狂楽
(
きょうらく
)
》という名らしい、彼に言わせれば父様から《精神感応》というものを受け継いだ存在。
そして彼の兄であり、父様なる存在から圧倒的な《攻撃力》を受け継いだ個体。
「それが……、レンに《憑い》てるモノ………?」
『まぁねぇ〜。言っておくけど、あの人なら君の装甲なんてすぐ壊されると思うけどな』
「…………………………」
かつて、マイの装甲を実に99パーセントまで破壊することに成功したのは、かつての主人、カーディナルの加護を全面に受けていたカグラの刀だった。そしてその刃は、あと一歩のところでマイの首にまで届きかけていた。
文字通り、神の加護を受けた刃で届かなかったこの首に、このモノは言った。
兄なら殺せる、と。
その言葉はどこまでも悪意に満ち満ちていて、それゆえに真実味がたっぷりと帯びた空気の震えだった。
『兄様だって、あんなガキの中にいる事なんて不快に決まってる。僕の《精神感応》の力を使って、無理矢理にでも引きずり出して、お前を殺してやる。父様の名に懸けても』
ゾグ、と背筋に冷たいものが走る。
その言葉が、あまりにも真実味があって。あまりにも、重みがあって。
体が、震えた。
本能で。本能的に。震えてしまった。
「あ、アスナを返して!!」
幾度と言ったかもしれない言葉。
しかし、その言葉さえも語尾がみっともなく乱れてしまった。体が震え、唇が震え、言葉が震える。抑えようとしても、それは収まるところを知らなかった。
呼吸が、乱れる。
『そんなにわめかなくとも、ちゃんと返してあげるよ』
そう言い、にぃっと焼け爛れたような、引き千切れるような笑みを浮かべて、アスナの姿をしたモノは嗤った。
『まぁ、廃人は確定だけどね』
「くっ!」
ギ、とこぶしを握り締める。
そんな、そんな結末、あの黒衣の少年が望むはずもない。いや、誰も望むはずもない。
そして、そんなもの、レンが赦すはずがない。
───レン……………ッッ!!!
マイの言葉にならない叫びに応える者は、誰もいなかった。
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