二十二 道化を捨てた男
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た。驚愕する前に博識な三代目火影の記憶が脳裏に浮かんだからである。
木ノ葉に存在する全ての術を使いこなす事が出来たといわれ、プロフェッサーと謳われた火影の記憶。
彼の記憶から術や体の捌き方を得た横島は、それを参考に身体を動かす。
おかげで念願であった木から木へ飛び移るほどの跳躍が可能となり、手裏剣をサイキックソーサーに置き換えて投げつける事が出来たのだ。柔軟な思考であるが故の思い付きである。
それでいて横島は火影の記憶に引き摺られずしっかり自我を保っていた。あくまでも火影の記憶は手掛かりでありこの忍び達を退けるための足掛かりに過ぎない。そして知らずに彼は霊能力ではなくチャクラを使っていた。
木の幹に足をつけるなど、足の裏にチャクラを纏わせなければならない。練り上げたチャクラを必要な分だけ必要な箇所に集める事は熟練の忍びでも困難である。それを横島はあっさり行った。
元々彼は集束に秀でている。サイキックソーサーがいい例だ。故に足の裏という部位にもチャクラを集める事は彼にとっては容易かった。
尤も、今まで使っていた霊能力をチャクラに変換させるなど理論上不可能に近い。出来たとしてもそれは長い年月を要する。
しかしながらチャクラを開いた身ならばその話は可能となる。現に横島は自身の世界で一度だけチャクラを開いていた。
それは横島の人生上、一転機となった試験。そして霊能力者としての力に目覚めさせてくれた切っ掛け。
GS試験で横島の初めての師――[心眼]が開いた瞬間である。
眉間の少し上にあるチャクラは洞察力、理解力、直観力等を司る。そして同時に霊視を可能とするチャクラでもあるのだ。
GS試験の最中に[心眼]が消えてしまった際も横島は自分に自信を持てなかった。精神的に追い詰められていたために[心眼]が身の内にある事など気づきもしなかった。ある意味別人格のような存在だった[心眼]は、現に横島の心の眼である。
[心眼]とは物事の真相や要点を見分ける鋭い心の働きの事。そして額はチャクラを溜めやすい箇所のひとつ。
加えてそのチャクラを活性させるには祈りが有効であり、今現在横島は守りたいと祈りながら闘っている。こういった偶然の蓄積が車輪であるチャクラを回し、無意識に霊能力をチャクラに変換させているのだ。
横島の攻撃を避けた六人の音忍が地に伏した二人の仲間を見遣る。ようやく警戒の色を見せ始めた彼らは、横島から一定の距離をとった。一人の音忍が手早く印を結ぶ。
「【水遁・鉄砲玉】!!」
玉状の水がまるで弾丸のようにその忍者の口から吐き出された。当たればただでは済まないだろうその圧縮された水の球は、地に膝をつけている横島の顔面目掛け一直線に飛んでくる。
「サイキックソーサー!!」
膝立ちのまま横島は地面をダ
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