二十二 道化を捨てた男
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音忍に、徐々に押し負ける霊波刀。それを察した横島はわざと霊波刀を打ち消し、さっと身を引いた。自在に消える霊波刀に驚愕したのか忍者達の動きが一瞬止まる。
急に霊波刀がなくなったことで競り合っていた相手は前のめりになった。ザクリと地面に突き刺さった刃が鈍い光を放つ。
身を引いたことで刀は回避できたが、先ほど投げられた手裏剣に足が引っ掛かった。
ぐらりと転倒しかかる身体。しかしそのお蔭で、顔目掛けて放たれた回し蹴りをすんでのところで避ける。両足を踏ん張ることで持ち直した横島の視界に、地面から刀を抜こうとしている忍者の姿が映った。
すぐさま霊破刀を出現させ地面に突き刺さったままの刀に向かって薙ぐ。ガキンと真っ二つに折れた刃がクルクルと回転しながら空を舞った。
「チッ」
刀を使っていた忍者が舌打ちする横で、別の忍者が鎖鎌を手にする。投げつけられた分銅が霊波刀に絡まった。そのまま引き寄せ鎌を振り上げる直前に、横島は霊波刀を消し、逆に相手の脇腹目掛けて蹴りつける。しかしその蹴りは予想されていたようで相手はすぐに跳ね退いた。
上げたままの足に向かってクナイが数本放たれる。焦りながらも、器用にも横島は足の側面にサイキックソーサーを創り上げた。キキンッと弾いたクナイが地面に撃墜する前に霊破刀を出現させる。そして野球バットの如くそれらを打ち返した。
忍者達は跳ね返されたクナイを手に持つクナイで弾く。その隙に横島は頭上に向かって[栄光の手]を伸ばした。木の高所にある枝を掴み一気に上昇しようとする。しかしそれを見越していたらしい音忍が自身の持っているクナイを横島に向かって投げつける。
だがその動向を更に見通していた横島は、背後の木の幹に足をつけた。既に高所の木の枝を掴んでいる[栄光の手]のお蔭でなんとかバランスをとると、幹に突き刺さるクナイの反動を利用し、彼は跳躍した。
見事にクナイの軌跡を掻い潜り跳んだ横島は、重力に従い地へ落ちる前に[栄光の手]を剣に象らせる。
そして……―――。
「伸びろ――――――――――――――――――――っ!!」
霊力を注ぎ入れ一気に伸ばしたそれを、横島同様跳躍する音忍達の頭に向かって振り落とした。
「「「「ぐッ!!??」」」」
剣は刀と違い斬るではなく刺すことで本来の力を発揮する。振り落とすだけでは単に殴っただけだが、横島の目論み通りガンッと鈍い音と共に忍者達は地に叩きつけられた。
「チッ」
しかしその不意打ちで昏睡したのはたったの二人。残りの六人は【変わり身の術】を使って頭上からの攻撃を回避したらしい。地面に転がる木片を目の端で捉えながら、横島は上手く受け身をとって地面に降りる。
目の前で人が木片と入れ替わっても横島はさほど驚かなかっ
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