第十話
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こいしに導かれながら、さとりは走り始める。
(お空……お燐……私が……不甲斐ないから。私が、弱い主だから……ごめんなさい……)
泣きそうになる自分をこらえながら走る。
(でも! もう少し待っていて……私が……必ず助けるから……!!)
二人は、急いで地下室に向かっていった。
「あぶね!!」
膨大なエネルギーを持った弾丸が、俊司のすぐそばに着弾する。爆音とともに軽いクレーターが出来上がっていた。
こいしが部屋を離れて十分が経っただろうか、お空の攻撃は激しさを増すばかりだった。部屋の中は、すでに攻撃のあとでぼろぼろになっている。幸い、俊司のスペルカードの効果もあって、牢屋の中と天井は何とか無事だったが、それもどれだけもつかわからない。
徐々に追い込まれている。そんな気がしていた。
「さーって、どうするんだ少年?」
「とにかく時間を稼いでください!! こいしちゃんが戻ってくるまで!」
「時間稼ぎっていってもねぇ…」
萃香はそういいながらも、自身の周囲に小さな自分たちを作り出してお空を攻撃しようとする。
だが、あまりにも広範囲すぎる攻撃で到底近寄れそうにない。さっきから攻撃しようとしては、攻撃を避けて距離を置くの繰り返しだ。
それに小町達のほうも気になる。
遠くから見たところ、お燐の相手は小町がしているようだ。周りの兵士たちはメディスンの毒でなんとか対処している。
相手は自我を持っていないため、かなり無理やりな攻撃を仕掛けているようだった。小町も、なんとか被害を最小限にしようと考えているのか、なかなか踏み込んだ攻撃ができていない。
できれば手助けをしたいところだが、こっちも余裕がなかった。
(このままじゃ……)
「しゃーねえ。おいカラス! そんなぬるい攻撃してねえでさっさと当ててこい!」
何を思ったのか、相馬はお空を挑発していく。お空もそれに反応して、ターゲットを相馬に絞ったようだ。
「おい無茶だ相馬!」
「お? ならかけるか? 俺が倒れるか、立ってるかで」
「ふざけたこと言うな!」
「すっ……萃香さん?」
「あいつ……あの攻撃をもろに受けるつもりなんだよ。それも、とびっきり強力なやつをね」
「なっ!? どうしてそんなこと!?」
そうこうしている間にも、お空の攻撃は制御棒から放たれた。見ただけでも、今までとは違うエネルギーを保っている。
だが、それを見ても相馬は動こうとはしない。それどころか笑みを浮かべていた。
「……見てればわかるよ……あれがあいつの能力なんだ」
「……?」
萃香は真剣な表情を
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