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黄昏アバンチュール
動き出した体育祭
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「人がたくさんいて、すごいごちゃごちゃしてるよー」というのは三浦。
「そうなんですか?」
「全校生徒だけでも結構な人数いるでしょ?それに親も来るし、あと、卒業生が参加する競技とかもあるから卒業生もからりくる。」
「すごいんですね…あ、和泉先輩こんにちは」
伊藤さんが私の存在に気づいてくれた。
「中学校とかとは規模が違うんだよね、俺も最初びっくりしたよ」
「なんかわくわくしてきました。そういえば、先輩って応援団やりますか?」
「おれやらない」とやってきたのは部長だ。
「そうなんですか…三浦先輩は?」
「俺は…一応やるよ、去年結構楽しかったし」
「和泉先輩はどうなんですか?」
「私は友達がでる、って言ってたから一応やるよ。一年生のうちはそこまでいそがしくもないし、いろいろやってみるのもいいかもね」
「そうですよね…やってみようかな…」そこではじめて溝口さんが口を開いた。とっても大人しいこなのだ。
「そういてば、黒瀬先輩ってどうなんてしょうか?ってか来ませんね。」
「俺知らない、和泉さん、同じクラスでしょ?」
「多分、やらないんじゃないかな?私が名前書いたとき名前なかったし。多分掃除してるんだと思う。体育館来るときゴミ箱持ってるのみかけたし」
「彼女さん、いるからですかね…」
「うーん、どうなんだろ?ま、とりあえず練習しよう。黒瀬くん来たら聞いてみなよ」
「わかりました。」




結局黒瀬くんがきたのはそれからだいぶ後になってからだった。
「おーそーいー」部長が大分不機嫌だ。
「ごめんごめん、なんか、先生に呼び止められちゃった…」
「おまえ、なんか怒られるようなことしたのか?」
「いや、してないよ!!なんか、よくわかんない世間話につきあわされた…あの先生何言ってるか良くわかんない上に、話長いんだよ」
B組の担任の佐野先生は数学担当なのだが、話がいうえに要領をえない、という最悪な先生なのだ。
「できればもっと早く来いよ」部長の声色が少しやわらいだ。
「はい、次からもっと早く来ます」
「先輩!!!」
伊藤さんだ。
「ん?」
「先輩って応援団でるんですか?」
「いや、去年もやったし、今年はでないつもり」
「それって…彼女さんと団違うからですか?」
少し言葉につまってから
「そんなことないよ」と言ってハハハと笑った。図星のようだ。

そのあと、応援団の話題があがることはなかった。

だが、その日のミーティングをさっさと切り上げて帰っていった黒瀬くんは案の定、東さんと一緒に帰っていた。


「何だ、仲良くしてるじゃない」
私はその微笑ましい光景に天野のことを思い出しなから微笑んだ。
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