ディアボロス
第10話 再会し、準備する
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
一枚の紙を渡す。
手紙を手に取って目を通すが首を捻る。
一誠の横から覗くアルジェントさんも同じく首を捻る。
「なんだよこれ?」
悪魔文字で書かれてあるため、内容を読み取ることができない二人に要約して伝える。
「簡単に言ったら、お前を殺し、アルジェントさんを利用しようとする堕天使たちを殺っちゃっていいよーって書いてあるルシファー様からの正式な書面」
「はいいいいい!?」
まあ、驚くのも無理はないか。
アルジェントさんも声を上げていないが、開いた口が塞がらない状態だ。
一誠が襲われている時にルシファー様にこの町で起こっていることを報告し、確認をとってもらったところ、そういった書面が送られてきた。
今回の件は、下の者の暴走であり、こちらの総意ではない。
そいつらの処遇はそっちの好きにしても構わない。
煮るなり焼くなり好きにしてくれ。
と、堕天使総督のアザゼルから返答があったとか。
というか一誠、ちゃんと教わってたんだな、お偉いさんのこと。
「そんなわけでちょっと教会にカチ込み行くが、一誠も来るか?」
「……いいのか?」
「おう。でもその前に一誠、神器出してくれ」
「は? 何でだ?「いいから」お、おう! 神器!!」
訳もわからず言われた通りに神器を出す一誠。
光が瞬き終わると左手に赤い籠手が装着されていた。
「ふぅん、龍の籠手か」
「ああ。部長が言うにはよくある神器だってさ。それがどうしたんだ?」
よくある神器、ね。
確かにそうだが気になるのは兵士の駒を八つも消費したこと。
ただの龍の籠手にそんなに消費しないし、しても多くて二つ。
ということは、
「秋人?」
疑惑を確かめるべく龍の籠手に触れる。
そして、静かに八雲立つ紫を呼び起こす。
―――香霖堂店主
外界からの漂流物を主に扱う雑貨屋の半妖の青年。
その目で見た物を鑑定し、未知の物であろうと名称や用途などといったことを理解する。
……赤龍帝の籠手か。
そりゃそうだ、ただの龍の籠手で兵士八つも消費するわけがない。
このことをグレモリーさんは知っていながら事実を伝えなかった?
……なんか考えがあるんだろうが知らん。
「一誠、それは赤龍帝の籠手だ」
「ぶ、赤龍帝の籠手?」
「ああ。神滅具の一つ。使い方次第で神をも滅ばす神器だ」
カチコミ行く前にちょっくら勉強の時間だ、一誠。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ