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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-14_信・・・乃だよね?
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    今から会う人から逃げちゃダメよ。
    貴方にとって大事なけじめになると思うから。


・・・正直、いつもの場所ではないと聞いた時から嫌な予感はしていた。
それが確信に変わったが、どうやら逃げたらダメらしい。

ある程度の自由が約束された契約とはいえ、今はクロムさんの直属の部下になっている俺。
大人しく命令?に従ってホテルの一室に到着した。

ピンポーン

「入ってどうぞ。鍵は開いてますよ」

中からは聞いた事のある女性の声。だが誰だかは分からなかった。
なんとなくだが、懐かしい気がする。

ここで深く考えずに扉を開ければ分かる事だと思って、扉を開けた。

「失礼します」

部屋の中に居たのは3人。

3人ともソファーに座ってお茶を飲んでいた。


「っ!?」

一瞬だ。一瞬にして3人が誰かが分かった。

4年前とほとんど変わらない、俺が『鈴姉』と呼び慕っていた女性。御坂美鈴。

成長を考えて中学生。鈴姉と同じ容姿であることからも間違いない。妹分、御坂美琴。

そして何年経とうが見間違えるはずの無い、俺にとって唯一無二の存在、小日向美雪。

学園都市に関わる上で、心の区切りをつけなければならない3人がいた。

「・・・・あの、どちらさん?」

俺が驚いて扉の所で止まっていたら、鈴姉が聞いてきた。

「あの、えっと・・・」

言い淀んでいたら、鈴姉と同じように琴ちゃんと美雪が俺の方を見た。

「ママ、誰?」

「私達を呼んだ人が来たの? 鈴姉ちゃん?  っ!?」

4年も経って俺は成長して容姿は変わっている上に、死んだ事になっているのだ。
気付かないのも無理はない。

そう思っていたのだが、美雪の反応を見る限り・・・気付いたんだな。

「し・・・・・の?」

震えた声で確認してきた。ああ、やっぱり気付いたんだ。ちょっと嬉しいな。

でも、俺は今から美雪を含めて3人を拒絶しなければならない。
俺が関わる闇に、3人が関わらないようにするために。

でも・・・やっぱり拒絶するだけで傷つけたくは無い。
そんな俺の葛藤を知らずに、美雪は少しずつ近づいていた。

「雪姉ちゃん、知っている人なの?」

「雪ちゃん?」

「し・・・の。  信・・・乃だよね?   信乃だよね!」

「・・・久しぶり」

それが3人に4年ぶりにかけた言葉だった。

「え? 信乃って」

「雪姉ちゃん、何言っているの? 信乃にーちゃんは・・」

「間違いない! 信乃だよ!

 だよね、信乃♪」

小さいころからの癖、語尾に♪が付いているような楽しそうな話し方。
まだそのままだったのか。

「一応、信乃です」

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