暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-12-1_で、殺人者さんはなんでこんな所にいるのかな?
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信乃がA・Tを使う前に刀の射程圏へと入り、必殺の一撃を、胴体を狙う。

信乃は後ろに跳び、その反動をA・Tにつぎ込んでカウンターを仕掛けた。
だが、宗像の追撃がそれを許さなかった。

再び急所を狙い切りあげた刀によって、前方へと進めないでいた。

チッ! A・Tは基本的に前に進む。その前を宗像に邪魔されているようだった。

それに狙ってくる場所も人間の急所ばかりだ。

SWATやASEでの訓練も厳しいものだが、今回の相手は質が違う。
異質。一つでもまともに受ければ死へとつながる攻撃ばかり。

一番似ているのは殺人鬼3兄弟を相手にした時だ。
あっちは完全に遊びで殺さない制約があったので、殺気は本物でも攻撃は本物ではない。

でも、こいつは本物だ。攻撃も殺気も、本物。

体力だけでなく、気力も消耗する。

「くそ!」

20以上の斬撃を避けて、A・Tを使って距離をようやく取る事が出来た。

「はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・・」

久々の生死を掛けた戦いに、息切れをしている俺だが
逆に頭の中は冷たくなる事が出来た。

「ここの研究は終わっていると思うんだけど、なんでまだいるんだ?」

とりあえず、時間稼ぎとして話題を振ってみる。

話題と言っても、結局は信乃の情報収集にすぎないが。

「終わっているよ。だから殺す」

「だからって・・・・意味が良くわからないけど、とにかく研究が終わっている事は肯定するんだな」

「肯定する。別に僕は研究を守秘する意味も意思もない」

「だったら、戦う必要なないんじゃないか?」

「戦う必要は無い。だから殺す」

「なにが“だから”なんだよ」

「僕は実験体だ。だから殺す。
 実験は中断された。だから殺す。
 破棄と言うか放棄された。だから殺す。
 色々と研究所を歩いてきたけど、ここが気に入った。だから殺す。

 侵入者がいる。だから殺す。
 僕の部屋に君が尋ねてきた。だから殺す。
 僕の周りは血まみれだ。だから殺す。

 全てが殺す事に繋がる」

「・・・まるで、殺人鬼のような事を言うな」

「否定しないよ。だから殺す」

「なんだか、新しい語尾みたいだな。

 あんまり語尾を使い過ぎない方が良いぞ、黒歴史になっちまうから。
 僕はキメ顔でそう言った」

まあ、実際はキメ顔じゃないですけど。

ふざけた話をしたおかげで、より落ち着きを取り戻せた。

奴が使っているのは2本の刀。

殺気の鋭さはあるものの、振る刀は少し剣術をかじった事がある程度の実力だ。

それで俺が追い詰められているのは、最端ルートで殺しに繋がる攻撃を何度も繰り出すからだ。
死への緊張感を直に感じたら
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