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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-12-1_で、殺人者さんはなんでこんな所にいるのかな?
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奥の階へと進む。

そして階を4つほど下にいった所に異変があった。

人の気配がする。殺人鬼3兄弟の末っ子に教えてもらった魂感知スキルで
生きている人がいることが分かった。

扉を開けてはいないが、部屋の名前は「第一級実験室」と書かれている。
第一級とは、最大の意味の一級だろうな。この部屋にいる奴は
言い換えれば第一級の実力があるってことなんだろうな、実験に関わる限りはそうだろう。

だけども俺は止まるわけにはいかない。この実験施設は、もしかしたらアレなのだから。

扉をゆっくりと開ける。
そして血だまりの中に、人が奥の壁に背を預けて座っていた。

血の量を考える限り、座っている人の血ではないだろう。
一人分の血としては多すぎるし、血だまりというより正確に言えば血が飛び散っているからだ。
ただの人間だけでは作成が無理で気持ち悪い芸術だ。

座っている人、歳は俺より少し上くらいか? なんだからキザキザした眉毛をしている。
そして特徴的なのは目。男は生気の無い目をしているのだ。
その目が俺を捕えてこちらを見た。


ゾクゥ!



一目で分かった。こいつは異常なのだと。
何が異常なのかは分からないが、それでも分かってしまった。

「あんたは・・・何者・・・いや、何だ?」

「ただの殺人者だよ」

殺人者、か。
その響きを聞くと、お世話になった殺人鬼3兄弟を思い出す。

「・・・こんな所で何をやっているんだ?」

「君には関係ない事だよ」

そうは言われても、研究所で初めて会う人間だ。
放置するわけにもいかない。

「僕は何もしないよ。ここが好きなだけだ。早く進んだらどうだい? 僕は止めないよ」

確かに無気力な感じだ。邪魔など一切する様子は見えない。

どうする? 止める気がないなら、Uターンして後ろの通路から先に進むのも吝かではない。

キラ

顔の向きは変えずに、意識だけ後ろの通路に向けた。
その一瞬だ。目線すらも変えていない。変えていないから見えた。

奴の放つ一閃を!

「うぉ!?」

反射的に屈む。頭の上を何かが通るのを感じる。

「あれ、避けられた。意識から外したはずなのに」

俺の意識の間をすり抜けるように放った攻撃は、奴が握った刀だった。
距離もある程度離れていたはずなのに、関係無いとばかりの高速の一閃。

屈んだ勢いで転がる。そして刀の攻撃範囲から外れる。

「なにすんだよ・・・止めない筈だろ?」

「ああ、うん。

 そう言った方が君を殺しやすそうだからね」

本当に、こいつの攻撃は殺す気の攻撃だった。
屈んで避けたが、避けなければ俺の首に攻撃されていた。
攻撃に躊躇はなかった。


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