ニシオリ信乃過去編
Trick-10_哀川潤。人類最強の請負人だ
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?」
その行動に哀川潤は不思議そうに眉間に皺を寄せる。
この攻撃を知っている奴はいない筈だ。
なんせ数十年前に廃れた、翼の道なのだから!
翼の道(ウイング・ロード)
Trick - Little Feather -
勢い良く両の手を合わせて、風を叩きつける技を発動させた。
「アァ!?」
攻撃は見事に炸裂し、哀川潤を吹き飛ばした。
それでも数メートルを後ろに飛ばしただけだ。
室内で翼の道は十分に威力を発揮できないし、俺の実力ではまだまだの結果しか生み出せない。
だからこの攻撃は賭けだ。
哀川潤に攻撃が当たり、それで怯めば次の攻撃に繋がれる。
吹き飛ばした瞬間、反射的に目を閉じるだろう。
その目を閉じた好きに俺は壁を駆け上る。
Trick - Spinning Wall Ride -
天井へと達した。ここから地面へ跳び、蹴り降ろせば、先程以上の威力で攻撃が出来る。
しかしそれでは足りない。主人公に一矢報いるには足りない。
だから足す。道の技を!
蹴り抜くのは哀川潤ではない。その手前の空間、否! 空気!!
Trick - Pile tornado Ver.Quarter -
自分の技術が足りない。
A・Tの完成度が足りない。
室内がゆえに空気の量も足りない。
足りないづくしの状況だが、それでもこれしかない!
空気を蹴り抜いた瞬間に、未完成がゆえに自分の足が風で切り裂かれる。
旋風傷、パイルトルネードの失敗時に出る反動の傷だ。
自分自身にも大きな怪我を負ったが、それでも攻撃は成功した!
ほぼ零距離からなる翼の道の上級技。
さっきの技で哀川潤の足元は充分ではない!
避けられもしない! 当たれば勝機に繋がる!!
俺の目論見なんか、関係無かった。
「かっは♪」
攻撃を喰らい息を吐き出したが、それはどこか楽しそうな声だった。
竜巻の中心から伸びた手が、蹴り抜いた足を掴んで地面に叩きつけられた。
「かっは!?」
同じように攻撃で息を吐き出した俺だが、当然楽しさなどない。
自分に出来る最大の奇策が全く聞いていない事の困惑が混じっていた。
「くっそ・・・・・!」
今度の攻撃は耐えられなかった。受け身も取れず、全身に痛みが走った。
俺の姿を、服が所々破けただけで無傷の哀川潤が見下ろしていた。
「ハハハ! いいね! チョ―楽しいよ!
さすがはニシオリ・・・あれ? 碧くないな、眼」
「!?」
な、なんで俺の秘密を知っている!?
そう言おうと思ったが、体が言う事を聞かない。
叩きつけられたダメージが意外に大きい!
「
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