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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-10_哀川潤。人類最強の請負人だ
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箇所だけ。しかし侵入者により使用不可能。

 侵入者の撃退、不可能。

あ、ツミだ。

「ほれ、早く自己紹介しろ」

「・・・・西折 信乃。ASEに所属している」

とりあえず返事を返しておく。会話から何か掴めればいいけど。
ってかツミだし、時間稼ぎしか出来ないかも。

「あん、それだけか? 他にもあるだろ、家についてとか」

「家族はいないですよ。みんな亡くなりました」

美雪や琴ちゃん、鈴姉については家族と思っている。
けど、今の俺は日系イギリス人だ。美雪達とは全く関係ない戸籍だ。

それに何故だ? 哀川潤が俺の家族を気にしている?
家族・・・・家・・・・苗字? ・・・ニシオリ?

「俺の・・・西折になにかあるんですか?」

「あぁん? なんだ、つーちゃんから聞いていないのか?」

「聞いていませんね。ちなみに、つーちゃんとは誰ですか?」

「そこに座っている蒼いのだよ」

くさなぎ みず

うん。どこにも『つ』の文字が無い。なんでつーちゃん?

それはともかく、やはり水さんが内通者で間違っていないな。

余計に追い込まれた気分になる。

「そうですか」

「まーどうでもいいや。
 お前がニシオリ。あたしはあんたを倒す。それでOKだな」

「どこにもOKな要素はないんですけど」

「気にするな、気にする、な!」

一瞬にして空いていた間合いを詰めて拳を振り降ろす。
早い。速過ぎる!

「っ!!」

何とかスタン警棒でガードをしたが、反応するのがやっとだった。ってか折れた!!
攻撃が来る前に数十パターンを戦闘シュミレーションをした。
その中で一番可能性がある攻撃をしてきたのに、予想していた攻撃なのに、それでも単純に防御するしかなかった。

次の追撃を待ち構えていたが、哀川潤は立ったままで何もしない。

「ほい、あたしの攻撃はお終い。

 今度はお前の番だ」

「は?」

「だからお前の番だ。

 先攻はお前だっただろ? それで次にあたしの攻撃。順番回ってお前の攻撃の番だ」

「ふざけているんですか?」

「平等だよ、平等。
 普通にやったら、あたしが一方的に殴ってお終いだろ?
 だからだよ」

「・・・・そうですか・・」

誘いか? いや、誘いだろうと乗るしかない。
モブでも戦う時には戦わないとな!

俺は無言で腰の方に手を伸ばす。
取りだしたのは30cm四方の小さなケース。

「一番武器の警棒が壊れてしまったので、一番奇策的な武器を使ってもいいですかね?」

「おう、いいぞいいぞ! あたしは王道も好きだが、奇策を喰らうのも好きだ!
 自分の予想していない事が起こるって面白い。
 そう
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