暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-09_ニシオリ、君を試したいと思う
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なった人間の7〜9割の段階になると
急に習得が遅くなったり止まったりするのだ。

それを俺は劣化模倣と呼んだ。

確かに心当たりはある。小さいころからスポーツは好きで、かなり上手かったと自負出来るが
絶対に一番になる事は出来なかった。それと同じなのだろう。

そのことに俺はショックを受けた。もし、この劣化模倣が全ての事に当てはまるのなら
俺は様々な事で上達する事が出来ても極める事ができない。超一流にはなれないのだ。

俺はショックを受けたが、百舌鳥さんは違った。
習得するのが速い事自体は武器になる。そして俺は習得出来ない事の方が少ない。
百舌鳥さんから色々な分野に手を出す事を進められた。

身につけた技術は多ければ多いほど、いつか役に立つ。
そして分野を広めれば、いつかは本当に一流になれる分野が見つかるかもしれない、
と言われた。

今のところ、技術を多く身に着けているから1つ目の目的は目論見通りだ。
でも、2つ目の自分のやりたい事は、まだ見つかっていない。

え? A・Tはやりたい事じゃないのかって?
確かにA・Tはやりたい事だ。でも、これは趣味であって、将来の夢や職業ではない。
だから俺の探している、やりたい事ではないのだ。

最近はやりたい事を積極的に探すことは少なくなっている。
正直、心が疲弊しているのだ。

何をやっても『お前はこの道に進むべきじゃない。才能がないんだ』と
極める事が出来ない度に言われている気がする。

今は時の流れに身を任せて、偶然でやりたい事が見つかるのを任せる事にした。


「ふぅ・・・」

今回の仕事は、マリオさんの補助。
通訳なり、資材の運び入れ、その他の雑用などをしていた。

マリオさんの仕事を終えて、俺は河原の近くで飲み物を飲んで休んでいた。

「久しぶりの日本だな・・・
 しかも学園都市の近くだ・・・」

視界には学園都市が見えている。

日本で生まれ育った『西折信乃』は飛行機事故で死亡している。
書類上では俺は死んでいるのだ。

ここにいるのは日系イギリス人の『西折信乃』なのだから。

「さて、そろそろ帰りますか・・・・ん?」

川からドンブラコ、ドンブラコと流れてきたのは、なんと不元気な男の人だったとさ。

「ドザエモン・・・って呑気なこと考えている場合じゃないな」

男の人・・・10代後半で体格のいい、背中に蜘蛛の刺青があるな。幻影旅団の一人か?
この川は確か、上流に学園都市があったはず。ってことは学園都市から?

色々考える事があるけど、まずはこの人を病院に連れていかないと。


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「ここは・・・?」

「知らない天井でしょ?」
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