暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick07_“俺”の中の歪みを治してくれるって言うんですか?
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とりあえず2人の無事を確認し、今度は状況を確認。

時計を見ると午前3時。住宅街にあるこの家では、この時間帯には本当に静かで外の街灯も消えて暗い。
だが外からは車のエンジン音が聞こえた。それだけではなく、庭の芝生を踏むような音が複数聞こえた。

音が近い。この家に向かう音?

先程の嫌な予感と合わさり、嫌な想像をしてしまう。

「ビバリーさん、ビバリーさん」

「ん・・・ぁん。・・・ふぁ・・・なぁに? 夜這い?」

「違います。もしかしたら緊急事態です。起きてください」

「え?」

「説明は省きますが、複数の人がこの家に忍び近づいてきています。
 こんな真夜中にです」

「リチャードさん・・かな? それとも泥棒、とか?」

「わからないですが、とにかくここにいては危ないと思います。
 テッサちゃんを起こさないように抱えてキッチンのカクンター裏に隠れて下さい。
 俺が合図するまで出てこないで下さいね。

 俺は別の場所に隠れます」

「わ、わかった!」

目も覚めていない状態だったが、ベビーシッター歴が俺より長いだけあって
落ち着いて対処してくれた。


さて、これからどうしようか?

相手の目的はビバリーさんが言っていた通り泥棒なのか?
確かに泥棒かもしれない。でも俺の欠陥製品のようなマイナス思考では、それ以上の事を想像した。

 殺人

理由をつけるなら、テッサちゃんの父親、リチャード=マデューカスさんは警察官だ。逆恨みを買いやすい職業に就いている。逆恨みした相手がリチャードさんの家を調べて襲ってきたと考えるのが俺の最悪のシナリオだ。たかが人が忍びよっただけで考えが飛躍しすぎている事に自覚はある。だが半年前までは戦場にいた自分だ。こう考えてしまうのが俺にとって普通なんだ。

ではどう対処するべきか?

隠れる。
時間稼ぎにしかならないだろう。家の場所を調べる人間が、当日に誰もいない事を確認しない筈がない。隠れているのなら見つかるまで探すだろう。カウンター裏にいる2人だって一時凌ぎのために移動させたにすぎない。

逃げる。
背中から攻撃されて終わりだ。ここは銃を認められた国アメリカ。下手に逃げれば銃で撃たれる。それ以前にこれだけの組織的な動きをしていれば、日本であろうと国に関わらず銃を用意していてもおかしくない。むしろ銃があると想定するべきだ。

助けを求める。
間に合わない。警察に連絡しても来るまでに数分が掛かる。それまで隠れ続けるのは無理だし、電話で話す時間もないかもしれない。

ならば、撃退するしかない。

俺は撃退などの準備をして、布をかぶり隠れた。


 パリン

何か細工をしたのだろうか、音質から考えてガラスを割ったのだ
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