暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-06_≪錬金≫と≪解析≫
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じゃないわよ。言ったわよね? 教えるものはもう残っていないって。

 それなら新しく何かを学ぶって言うのはどうかしら?」

「新しく、ですか? そのために一度ここから出た方が良いと?」

「ええ。別に何を学んで来いと決めるつもりは一切ないけど
 学べるものがあるなら色々と学ぶことが良いと思うわ。

 あなた自分の年齢を忘れていない? 本当ならジュニアスクールに通っているのよ?」

「そういえばそうでしたね」

俺の年齢は11歳。小学生である。
戦争や執事の仕事、魔術を学ぶ事に一生懸命で義務教育など忘れていた。
でも学園都市にいた時に物理学の博士号を取るついでに大学の卒業資格も取っている。
教養は足りているから余計に忘れていた。

だから今さら小学校に通うつもりなんて起きない。

「あなたの学歴は知っているわ。今更ジュニアスクールに行けとは言わない。
 でも、この場所で教える事もない。

 あなたはどうしたい?」

そうか。出て行けってことは、巣立って自分のやりたい事をやれ、という意味だったのか。
自分のやりたい事。急に言われても思いつかないな・・・・

「答えは、出せないようね」

「はい、残念ながら私は目の前の事にしか考えられない未熟者です。
 将来の事と言われると言葉に詰まってしまいます」

「将来の事、自分のやりたいことが分からない、か・・・

 そんな子供が言うような当たり前の言葉、信乃から聞くなんて新鮮ね。
 あなた、子供って感じがいつもしないもの。

 それじゃ、お姉さんが命令をしてあげるわ。

 行きたい所だけを決めなさい。その地で住む場所程度は用意するわ。
 自分探しの旅をする場所をね」

「自分探しの、旅・・・」

なんだか新鮮だな、自分探しの旅か。

「行き先は・・・アメリカに行きたいですね」

「理由を聞かせてくれる?」

「学園都市がある日本を除けば、経済が一番発達した国です。

 経済が大きければ善きも悪きも色々とあるはずです。
 そこでなら何か掴めるのではないかと」

「わかったわ。

 すでにイギリス在住の日系二世として適当に偽造戸籍とパスポートは作ってあるわ。

 それにアメリカの知り合いに連絡を入れておく。
 住む場所は用意してあげる。

 あと半年分の給料も用意しておくから資金にしなさい」

「え? いえ、働いていたのは恩返しであって「資金にしなさい」  ・・はい」

いつの世も女性は強い。あと恐い。

「何か失礼な事を考えていないかしら?」

「いえ、そのような事はありませんよ、ローラ様」

そして勘の鋭い生き物です。



数日後、旅の準備や挨拶回りなどをした後に出発
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