暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-06_≪錬金≫と≪解析≫
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「ありがとうございます。誉め言葉として受け取ります」

「はぁー」

はい、もちろん嫌みで言った事に気付いていますよ。
真正面から笑顔で返されたらローラ様も先程より大きなため息になりました。

「真面目というのは一部撤回する必要があるようね。
 女性に対しては親身になって接しなさいと教えたはずよ」

「ええ。それはもう重々承知です」

正直、戦争で人を殺した事の次に印象にある事は性的暴行を受けた女性についてだった。

その影響で未だに女性にそういった欲を感じることは全くなく、
ローラ様の勧めで女性に対しては本当に優しく接するように言われたので
半分フェミニストな性格になっている。軟派な意味ではなく、女性優先主義な意味合いだ。

「女性には親身に接しています。ローラ様の教え通りに。

 そして執事として主の言葉を受け止める事、
 時には冗談を交えることでスムーズな交流関係を築く事も教えて頂きました」

「そうだったわね・・・」

苦虫を噛んだような表情になってしまった。
ありゃ? どうやらローラ様を言い負かしてしまったらしい。

「図に乗り過ぎた事を言ってしまいまして申し訳ありません」

「いいわよ、これぐらいなら」

と言いながらも少し口が尖っていた。拗ねているようだ。

「・・・・この半年でずいぶんまともになったわね」

「そうでも・・・ありませんよ。先程おっしゃっていた≪学園都市に戻る≫という
 選択肢は選べそうにないですから」

まだ、恐い。半年経とうが、俺が人を殺した事実が消えるわけでも無い。
ただ学園都市の話をしても狼狽しなくなっただけだ。いつも逃げている。

「でも、私個人としてはあなたを手元に置いておくのは良い気はしないわ」

「・・・それは、どういった理由でしょうか?」

「宝の持ち腐れなのよ。あなたがここにいても」

「は?」

意味が本当に分からない。

「執事の仕事はセバスチャンと他の執事で足りている。
 魔術に関しては特に期待していない。

 でもね、私はあなたを高く評価しているの」

「どうして、でしょうか?」

「あなたの習得技術の早さには目を見張るものがあるわ。
 執事の仕事と言っても多岐にわたる。それをあなたはたった半年で習得したのよ。

 それを評価しないでどうするの」

「ありがたいお言葉です。しかし、ここから離れる事と何の関係があるのですか?」

「だから言ったでしょ。あなたには才能があるの。

 私が教えた事は何一つないけど、こういうことよ。

 ≪あなたに教える事はもう何もない≫」

「だから、出て行けと言う訳ですか?」

少なからず悲しい気持ちになる。

「そう
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