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ゲルググSEED DESTINY
第六十九話 止まぬ戦火の咆哮
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見てくれていた。それが彼女にとってはかけがえのないものであると同時に自分のミーア・キャンベルという存在を繋ぎとめている人でもあった。

「私がもし本物のラクス様だったなら――――そんな夢みたいな現実を見ても良かった……そう思えたかもしれない」

彼女の存在は、そしてその役割は最早議長にとって不要の存在。彼女は薄々ながらもそれを感じていたからこそ、涙を流していたのだし、自分が自分でなくなるような恐怖を同時に感じ取っていた。

(今すぐアスランに会いたい。あって、何でもいいから話がしたいな)

そんな彼女の小さな願いと共に、戦闘が少しでも早く終わることを願い続けていた。







レクイエムの砲撃は撤退しつつも、残存戦力を集結させようとしていた連合部隊を完全に焼き尽くしていた。ただでさえ戦力比が目に見えて大きく広がっており、最早彼らにまともな抵抗など不可能に近いと思えるほど戦力はなかったにもかかわらず、追い打ちをかけるように砲撃が彼らを消し去ったのだ。
皮肉な光景だといえる。連合がザフトやプラント市民を殺す為に造った兵器によって自分たちが焼き尽くされていくのだ。アスランにとってこの光景は二年前を彷彿させるものとなっていた。そして、僅かな葛藤と疑惑を胸に彼は苦々しい顔つきで目の前の連合部隊が撃墜されていく様子を見つめる。

「これで連合は壊滅したも同然か……プラントが狙われることがなくなったと考えれば、確かにこの争いは無意味ではないが――――」

やはりアスランにとって思い浮かんだ疑問は議長の政策の発表のやり方だと思っていた。何故あんな風に連合や他の組織を煽るかのような、急進的な方法で政策を公表をしたのか。決して政治に詳しい訳ではない彼はそのあたりの機微を理解できるわけではないが、議長ならばもっと上手くやれたのではないかという思いは存在していた。

『あの兵器って……レクイエムよね?何で、アレって私達が破壊したのに?』

『議長のご意志だ。連合艦隊に対して警告はしたはずだ。それに逆らってまで抵抗しようとしていた残存戦力。残していれば何をしでかすか――――これまでの経験から分からないわけではないだろう?』

ルナマリアはレクイエムが発射されたことに対して疑問を放ち、レイがそれに対して回答する。確かに事前に投降する様に呼びかけはあった。だが、それでもレクイエムという兵器を使う必要性などないのではないかという思いがある。

「――――停戦信号だ。どうやら残存の連合勢力もどうしようもないみたいだな。これよりコンディションオレンジに移行する。各自、交代で警戒に当たるぞ。シンとレイ、ショーンの三人は一旦艦に戻って休憩に入れ」

『いえ、自分は大丈夫です。ドラグーンも殆ど使っていないので整備や補給は必要ないかと
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