第六十九話 止まぬ戦火の咆哮
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「デスティニープラン、ねえ……?」
ある施設にて複数人で集まり、デュランダル議長が提唱していたデスティニープランという政策について話し合っていた。
「悪くない政策だとは思うけど、実際どうなんだろうね?」
「ソル、本気で言ってんの?自分のやりたいことをやれないなんて冗談じゃないわ!私は宇宙を目指したいの!なのに適性が無かったら止めさせられるっていうのよ!」
ここDSSD、深宇宙探査開発機構だ。そこでソルはデスティニープランに対してどうなのかと疑問を口にするが、セレーネはお断りだと声を大にして否定する。
「フム、まあ確かにこの政策は不躾なものだと思えるわい」
「そうかの?効率的と言われてしまえばそれまでだぞ。そこまで悪く無い策だと儂は思うんじゃが?」
トロヤステーションにてセガワやホアキン等研究者も話に加わり、政策に対する評価をそれぞれ言い合う。正直に言ってしまえば彼らにとってそこまですぐに影響することがないのも理由なのだろう。DSSDは中立かつ特別の権限を持っている組織である上に宇宙に対する専門知識が必要な以上、すぐさまデスティニープランが強要されることなどそうそうないはずだ。
そういった事もあり、彼らにとってはデスティニープランについて話し合うとはいっても話のネタとして扱われているような状態なのだ。
「セレーネ姉さんはああ言ってるけど、スウェンはどう思ってるの?ザフトの部隊と一緒にいた時期もあったみたいだし、そのあたり参考にならない?」
「……ああ、どうだろうな」
スウェン・カル・バヤン――――ラー・カイラムに攻撃を仕掛け、その後も、紆余曲折と色々あったものの結果的に彼はザフトではなく、このDSSDに所属する事となった。ファントムペインの別部隊がトロヤステーションに襲撃を仕掛けたこともあり新入りとして入った彼は最初こそ風当たりが強かったが、ソルや周りのご老人に気に入られたこと、星を目指したいという真っ直ぐな気概、高いMSの操縦技能もあってか所属して僅かな期間でありながらも彼は周囲に認められていた。
「スウェンに聞いたってそんなの応えるわけないじゃん。いい加減学習したら?」
といっても彼の性格が根本的に短期間で変わるはずもなく、口数が少ない人間だという評価は変わっていない。ソルは年齢が近い上に同じMS乗りという事もあってかよく話しかけるものの、セレーネの方はスターゲイザーのテストパイロットをスウェンによって降板させられたこともあってか彼に対して棘のある言い方をすることが多い。
尤も、セレーネ自身も彼を認めている節があるからこそ、その程度で済んでいる。おそらく認めていなければ意志の強い彼女は今頃殴りかかってでも自分が乗ると言ってきかないだろう。
『――――もうじきそんな小さな枠組み
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