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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
若菜 麗
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てるんですか?大変でしょう?
いえいえ。そんなことはありませんよ。
麗も最初は、ナンパか?などと警戒していた。
そのころの麗は、彼氏など当然いなかったため、そういうことは良くあった。
しかし、彼にそんな下心がないことは話していてすぐ分かった。
ただ純粋に、まっすぐな恋心だけが伝わってきた。
彼は単純で、分かりやすい男だった。
そんなところに引かれた私がいたのも事実だが、あちらは最初から気があったのだろうか?
一目惚れされた・・・・と思うのは傲慢だろうか。
そんな些細な出会いからあれよあれよと交際が進み・・・・・、
その明の出席する式典の前日、半年後にはプロポーズまでされた。
元々、神条財閥の式典だけあって計画したのは一年前。彼がその護衛部隊隊長に就任してから半年は式典を開くのに掛かった。
彼とは、一ヶ月に一度、二週間に一度と会う頻度はかなり多くなっていった。
お互い忙しい身なので彼と過ごした時間はそこまで多くなかったが、彼と過ごす時間は最早、楽しい、では表現できなかった。
麗はその頃、幸せに包まれ、仕事も彼との出会いのために、バリバリこなすようになっていた。
彼は、自分の一大仕事、式典での護衛が終わったら、結婚しようと言ってきた。
当然、自分が断るはずもなく、彼から貰った指輪に、大喜びだったことを覚えている。
今でも、それは・・・思い出の品として、右手の中指にはまっている。
しかし、結局のところ、彼と私が結婚することは無かった。

 簡単なことだった。
式典に、大富豪が集まる、ということで狂った一人の男が、銃を持って、その式典に、侵入してきた。
男は、人は皆全て平等であるべき、だから貴様ら金持ち連中は死ねばいい、というような狂った宗教的な集団の一員だったらしい。
その男は、一仕事終えたあと、自殺をしたらしいが・・・・そんなことは正直どうでもいい。
その男の一仕事、というのが、彼の銃殺だった。
元々、神条総帥は当然一番ガードが硬いため、式典が苦手で、一人、ベランダに出て、風に当たっていたその娘を男は狙ったらしい。
ついていたのは、彼と佐多兄弟というSPの三人だけで、銃声を聞き、ベランダの下から飛んできた銃弾から明を庇うのに精一杯で、彼はその銃弾に直撃した。
即死だったそうだ。佐多兄弟が、その犯人を追ったものの、激しい乱闘の後、銃撃されて死亡。
しかし、乱闘の結果として男もボロボロで、とても逃げられる状況ではなく、自殺を図ったらしい。
彼は、明を・・・自らが護るべき主君のために死んだ。
それは、SPとしては名誉勲章だったのかもしれない。
しかし。当時の私がそんな風に思えるはずもなかった。
ニュースにもなった大事件を、まさか私が知らないはずもなかった。
その日から、麗は再び歯車に戻った。
ただし
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