暁 〜小説投稿サイト〜
蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
人工物
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
し、私は今、貴方たちの屋敷の周りに居住するSP達を人質に取っています。」
『・・・・・・!』
三人とも驚く様子を見せる。それは、その言葉と同時に、楼が取り出した、小型タブレットに映る光景。あの屈強なSP達が全員地面に倒れ伏し、縄で縛られていて、それぞれの頭に銃を突きつけているSP達のように屈強な、兵士の姿をした男たちの映像。
そしてもうひとつは・・・・・、三人とも驚いてそれを見ているのと同時に別のものが視界に入ったからだ。
楼は平然としていたが、宏助達にはそれは驚きでしかなかった。
宏助が先程叩き落した拳銃。そのときにどうやら指に宏助の攻撃の風圧が当たったらしい。指の皮が剥け、まるで作り物のようにたれている。
それは良く見るとゴムに似ていた。そしてその皮膚の下から覗いているのは、銀色をした細い何本ものコード。
その何本かは焼ききれ、だらんと皮膚と一緒に垂れている。そして当然のように血は出ていない。
「そして、もう一つ付け足すと、私を人質に取っても無駄です。私は精密に作られたいわばロボット。社長の姿形を取っていても中身は人間ではありませんよ。更に貴方方のセキュリティシステムは、ハッキングしてあります。まぁ、そうでなければ、神条総帥の一人娘の豪邸に人間でない私と、多くの精鋭部隊が奇襲など不可能ですからね。」
楼、と名乗るその不思議な機械は、表情を微笑のままそんなことを言う。
再度の機械音。先程から聞こえていたこの機械音はこいつがロボットだからだったから聞こえたのだ。
宏助はそれに驚きを隠せないが、麗はそんな楼を見ていない。
彼女の視線はさっきからずっと楼が取り出したタブレットに映る映像に吸い寄せられている。
その表情は驚きと恐怖が入り混じった表情だった。
そしてこの場で、たったひとりだけ、動じた様子を見せない人物がいた。
明だ。彼女も驚いてはいたが、それでも自分が迷ってはいけないと、強い表情を見せている。
「あなたの目的はなんですか?」
毅然とした口調でロボットである相手に語りかける。
その相手は質問を聞いたのか聞いていないのか分からないが、質問に答えたようにタイミングよく答える。
「私の貴方方のSP三十名弱という人質で要求する案件は二つです。」
そういってロボットは二つの指をぎこちない動作で前に出す。
「ひとつは、神条明の身柄をこちらに引き渡すこと。」
当然だろうな、という感じで明は頷くが、宏助達はそうはいかない。
今までタブレットを見て呆然としていた麗も含め宏助達は、殺気を漂わせる。
しかし、それはロボットには伝わらない。そして、それは、更に宏助達の殺気を深める発言をしてくる。
「もうひとつは伊島宏助、若菜麗。二人のボディーガードに即刻この屋敷から立ち退いていただきたい。」
「なにっ・・・・!」
「なんで
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ