第二章 [ 神 鳴 ]
二十一話 漆黒混じりて…
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「話には聞いてたけど中々人気者じゃないか『ルーミアお姉ちゃん』」
「ブチ殺すわよ!」
僕達には何時ものやり取りなのだが子供達は少し怯えてしまった。それを見てルーミアはバツの悪そうな顔をする。
「ごめんごめん、僕とルーミアは何時もこんな感じで痴話喧嘩?するんだ。本気で言ってるわけじゃないから怖がらなくていいよ」
僕がそう言うと子供達はほっとした様に表情を綻ばせる。
「なーんだびっくりした!ウチの父ちゃんと母ちゃんみたいなもんか!」
「…あんたの家は結構殺伐としてるのね」
子供の一人の発言にルーミアが呆れていた。
「あ!そうだ七枷様、お手玉してよ」
女の子がそう言いながら僕にお手玉を渡してくる。でもその渡されたお手玉の数を見てルーミアが僕に問いかけて来た。
「ちょっと何よその量は。30個はあるじゃない、どうするのよ?」
そう今僕の所には30個のお手玉がある。「まぁ見てなよ」と言う様にルーミアに視線を送り、その場に腰を下ろす。そして一つ、また一つとお手玉が中を舞った。
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無数のお手玉が規則正しい軌道を描く。その数ただ今68個。
ルーミアや子供達だけでなく、近くを通りかかった町の住人達も天高く舞うお手玉を見上げていた。
「おおー!新記録だー!すげー!」
「まだだ!まだいけるだろ!」
「わしも若い頃は…」
子供達の歓声に混じって大人達も感嘆の声を上げている。さてそろそろ終わりにしようかな。
「ルーミア、そこの籠を持ってきてくれる?」
「これ?ここに置けばいいの?」
「うんありがとう。それじゃ!」
お手玉の軌道を少しだけずらす。すると吸い込まれるようにお手玉は籠の中に納まっていく。最後の一個が籠に入った瞬間、広場に拍手の音が響き渡った。
「はい終了。どうルーミアやるもんでしょ」
「お手玉位で何言ってるんだか」
そんな事をいうルーミアは少しだけ笑っていた。
「それじゃ次は何をしようか?」
「鬼ごっこがいい!」
ずっと見ているだけっだったから動き回りたい子達が結構いたらしく次は鬼ごっこになった。じゃんけんの結果、最初の鬼はルーミア。
「なんて言うか適材適所?追われる方は緊張感がでていいよね」
僕のその発言を聞いたルーミアはおもむろに闇の大剣を呼び出し、その切っ先をこちらに向けてくる。
「そう、それじゃ全力で逃げなさい!お望み通り八つ裂きにしてあげるわ!」
「え?ちょっとルーミアさん、僕はそんなつ「10,9,8,7,6,……」ちょッ!!数えるの早い!」
その後は何というか…広場から飛び出して町の
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