第二章 [ 神 鳴 ]
二十一話 漆黒混じりて…
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当ですか!出来るんですか!」
「うん、よく考えれば簡単な事だったよ。無条件で降伏すればいいんだ」
戦をしたくなければ戦わなければいい。相手に抗わず受け渡してしまえばいいのだから。楓を見ると予想通り驚愕の表情を浮かべていた。
「そ…そんな事「諏訪子がする訳無い、よね」ッ!?」
自分が言おうとした事を僕に言われ楓は口を閉ざした。
「諏訪子は降伏なんかしない、それは楓の方がよく理解できるでしょ?僕よりずっと付き合いは長いだろうし」
楓は黙ったままだ。降伏をしないという事は戦は回避できないという事。つまり、
「だから楓の望みは叶わないよ」
「………」
俯き表情を隠す楓。今心の中で何を思っているのだろうか。
「…ちょっと出かけてくるね」
腰を上げ、楓を残し居間を後にする。襖を閉めて隠れていた人物に声をかける。
「ごめんね早希、後の事お願いできるかな?」
「しょうがないですー。楓様の事は私にお任せですー。あぁ代わりにお団子買ってきてくださいですー」
「了解。じゃぁお願い」
「はーい、いってらっしゃいませー」
楓の事を早希に任せ、町へと向かう事にした。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
諏訪大社御用達の店、と言う訳じゃないけどこの店の団子は家の女子達には大人気だ。僕も大好きだが。餡子、草餅、みたらし、芋餅など多めに購入し店を出る。
さてともう少し時間を置いた方がいいよね。そう思い広場の方に足を向ける。
広場の所にはこの時間位になると寺小屋で勉強が終わった子供達がよく遊んでいる。紫は寺小屋には通わせていないけど、ここで僕と一緒に子供達と遊んだりもする。
広場の方からは子供達の喧騒が聞こえる。そしてそこを覗いてみると、
「ルーミアお姉ちゃん、綾取りしようよ」
「えー!鬼ごっこがいいよ!」
「お手玉ー」
「かくれんぼだって」
「はいはい、喧嘩しないの。まったくもう」
結構な人数にじゃれ付かれているルーミアがいた。いやいやみたいな事を言ってるけど口元が緩んでいるのを見逃さなかった。
そしてルーミアが視線を動かした時に広場の入り口に立つ僕と目が合う。それはもうバッチリ。
「な!!な、なんで…ここに…!!」
ルーミアはわなわなと震えながら僕を睨み付けてきた。
「やぁルーミア☆楽しそうだね!僕も仲間に入れてよ」
僕はニヤニヤ笑いながらルーミア達の所に向かう。
「あー!七枷様だー!」
子供達は僕に気付くとわらわらと寄って来た。口々に「遊んで!遊んで!」とせがんでくる子供の頭を撫でながらルーミアに声をかける。
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