第二話
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された手を見つめ、信じられないものを見るようにニーナの視線が己の手とクラリーベルの間を行き交う。
そんなニーナの様子を不思議に思いながらレイフォンは先ほどの質問に返す。
「ニーナさん、さっきの答えですが特に用はないので大丈夫です。今すぐですか?」
「問題がなければそっちの方が助かる。っと、おいやめろフェリ」
「嫌です」
暇だったのだろう。肩車されたままのフェリが目の前にあるニーナの髪を結んだりして遊んでいた。止めようとするニーナをよそにドンドン変な髪型になっていく。
それを眺めながらレイフォンはクラリーベルとアイシャを振り返す。
「今すぐの用って確かなかったよね。僕は行くけど二人はこのまま帰る?」
二人はニーナとは初対面だ。久しぶりの対面の場で、更にハーレイの名前も出されている。レイフォンとしては別にいいが二人が来たがりはしないだろう。
そんなレイフォンの予想通りアイシャはニーナの方を見て少し考え、断りを言う。
「私は先に帰る。少し見たい場所があるから、そこに寄ってからだけど」
「おや珍しいですね。レイフォンに着いていかなくていいんですか?」
「煩い、ニヤニヤしないで。何時もいるわけじゃない……それに相手を思うのは大切で、気をつけるべき。私は知らない人だから」
「ああ、少しは私の言葉を受け入れてくれたんですね。嬉しいですよ。何か方向が変な気もしますけれど」
面倒臭さを隠そうともしない目をクラリーベルからズラし、アイシャはその背後へと瞳を向ける。
そこには弄られた髪型を直そうとしているニーナの姿がある。
「久しぶりに会うんでしょ。仲のいい知り合いなら……気にする必要が無い」
「必要、ですか。理由ではなく」
「何か違う? ニーナさんと仲良くなるのも後でいい」
「ああ、いえ別に。違いませんね気にしないで下さい」
レイフォンにはよく分からない会話だが、取り敢えずアイシャは先に帰るらしい。
「クラリーベルは……」
「あ、私はレイフォンに付いて行きます」
レイフォンの予想に反した答えをクラリーベルは当然の様に言い、未だ格闘を続けるニーナに聞く。
「ニーナさん、私も付いていって良いですよね」
「別にいいが、余り面白くはないと思うぞ」
「私は歓迎しますよ」
フェリからの言葉も貰いクラリーベルがレイフォンに向き直る。どうやら本当に付いてくるつもりらしい。
「暇なんですか?」
「暇といえば暇ですが……ただ、行く必要と少しばかりの理由が私にはあったもので。多分、ですけど」
理由だの必要だのとレイフォンには分からないが、特に困るわけでもない。互いに全く知らないわけでもなくクラリーベルはニーナを知っている。気になることでもあるのだろう。先ほど仲良
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