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鋼殻のレギオス IFの物語
第二話
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だろうか。

「ニーナさんは文句言わないんですか。フェリもそうですが、サボリ的に」
「言っていますよ。隊長は真面目ですから。向こうはどうだか知りませんが、私は聞き流してます」

 フェリはクラリーベルに当然の様に言う。ニーナの性格を知っている身としてレイフォンはニーナが眉間にしわを寄せている光景がありありと浮かんでしまう。今の言葉を聞けばきっとフェリに説教でもするだろう。ニーナの苦労が忍ばれる事だ。
 



 空は雲に覆われ外は少し薄暗かった。太陽は天頂をとうに過ぎている。ドンドン暗さは増していくだろう。山陰の関係からしてもう一二時間で陽が落ちる。
 とうに終業時間を過ぎている学外の前の通りに人通りは無い。今日という日も関係しているのだろう。

 レイフォンの思考は既に今日の夕食に飛んでいた。めんどくさい、分量的に用意が楽、などの理由で同じアパートに住む三人は基本的に食事を共にしている。
 孤児院育ちのレイフォンは言うに及ばずアイシャも人並みには料理ができる。だが何でも周りが用意してくれる王家の人間であるクラリーベルの家事スキルは期待値を下回る有様なので数に入れられていない。

 当初クラリーベルが頑張ったこともあったが、失敗するくらいならレイフォンの美味しい料理に丸投げしようと諦めた経緯もある。その為大抵においてレイフォンが主に調理を担当している。
 冷蔵庫の中身を思い出しながらレイフォンは何を作れるのかに脳をフル回転させる。

「クラリーベルは今日何が食べたいですか」
「何でもいいですよ。お任せします」

 料理をする立場として一番対処に困る返答である。孤児院時代は聞けば要求を体ごとぶつけてくる兄弟ばかりであったレイフォンとしては悩むところだ。何を作っても平気だとは分かっているが、それでも面倒なのだ。
 時間からしてアイシャは既に帰っているはずだ。夕食の用意をしているかもしれない。下準備に及ばずメニューまで決めてくれていれば楽だな。そんな風に思考を放り投げる。いざとなれば冷蔵庫を見て作れるものを適当にでいいだろう。

 バス停に着きレイフォンとクラリーベルはベンチに座る。時刻表を見たところ路面バスが来るまでもう少しかかるようだ。

「レイフォン、明日からは部活でも見て回りましょう」
「そう言えば紹介のパンフ貰いましたっけ。面白そうなのがあれが良いですね」
「私、結構胡散臭いのとか好きなんですよ」
「非公認とかのもありましたっけそういえば。露骨に怪しいのとかありましたね」

 一年のうちは授業が終わればやることなどない。バイトや部活なででも無い限り終業後は暇な時間だ。一応宿題や予習復習なども選択肢としてあるにはあるがそんなもの端から二人の頭にはない。ポツリポツリと話をする。
 ふと、レイフ
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