第二話
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るとは思っていなかったが、来るのなら教えてくれても良かったものを」
手紙のことを言っているのだと知りレイフォンは言葉に詰まる。やはり手紙にはその旨が載っていたのだ。此処にいることを知ってすらいなかったが、ニーナの笑顔を前にそれを言う勇気はない。
そんなレイフォンの様子にニーナは勝手に何か納得したのかしょうがなさげに呟く。
「バスのルート次第では間に合わないこともある。放浪バス自体安全なわけじゃない。仕方ないこともあるさ」
レギオス間の位置関係や距離はその時々で大幅に変わる。場合によっては一月で届く場合もあるし何ヶ月も掛かる場合も珍しくはない。運ばれる途中で汚染獣にバスが襲われることもある。
これらの事はこの世界ではしょうがない事でありニーナはその類だと思ったのだ。
「会えたのだから気にすることもあるまい。それはそうとこの後少し時間を取れないか? 話したいことがある。ハーレイもいるぞ」
気まずさは確かにあるが再び会えたという嬉しさもレイフォンの中にはある。まだ昼を過ぎて少しの時間帯で特に目立った用もない。
了承の言葉がでかかったレイフォンの背中に激痛が走る。見えぬようレイフォンの背中をクラリーベルが抓ったのだ。
ニーナに聞こえぬよう抑えられた声がレイフォンに向けられる。
「久しぶりの再会を喜ぶのはいいですが、忘れてもらっては困りますよ」
レイフォンとしては忘れたつもりはないのだがそう取られたのだろう。ニーナに気づかれぬよう痛みを堪えるレイフォンの横でクラリーベルは下から上へとニーナを見る。
「この人が……」
クラリーベルが呟く。レイフォン経由で多少はニーナのことを知っているのだ。
ニーナが視線の主を見返す。
「こんな姿で済まないが、三年のニーナ・アントークだ。好きな方で呼んでくれ。上にいるのが……こっちは知っているか。レイフォンとは面識があってな。君達も新入生か?」
「一年のクラリーベルです。それと知ってますよ。家出したニーナさんですよね」
いきなり言われたそれにニーナは面食らう。どういうことだというニーナの視線がレイフォンに向けられる。ニーナとしてはこの場でそれを知っているのはレイフォンだけのはずなのだからそれは当然だろう。
抓っていた手を離し、クラリーベルは前に出てニーナの手を勝手に握る。
その顔には面白げで嬉しそうな笑顔を浮かべている。
「レイフォンと同郷なんですよ。もう一人がアイシャです。色々ありまして話は聞いてて前から仲良くなりたいと思ってました。クララって呼んで貰って結構です」
「あ、ああそうなのか。こちらこそ宜しく頼む」
ズイ、と近寄ったクラリーベルに圧されニーナは握られた手を為されるがままにされる。
思う存分握られて離
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