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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第12話:そして廃工場へ
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フェイトが並んで立つ。

やがてA分隊の攻撃によって門が破壊されると、ゲオルグは工場の敷地内へと
飛び込んだ。

『ゲオルグ、戻れっ!!』

通信を介したヒルベルトの声がゲオルグの耳に届く。
ヒルベルトは反射的に足を止め、敷地の外へと飛び下がると
壁の背後にその身を隠した。
直後、ゲオルグの立っていた地面がバシッと弾ける。

(実弾狙撃!?)

ゲオルグは地面にあいたこぶし大の穴を目を見開いて見つめる。
その間にも近くに何発もの銃弾が着弾する。

『B01、無事か!?』

「無事です。 しかし、あれをなんとかしないと突入できそうにないですね」

『だな。 こっちで狙撃手をつぶせないかやってみる』

「お願いします」

ゲオルグが通信を終えたとき、フェイトがゲオルグのすぐ隣に立っていた。

「うわっ!」

作戦をどう進めるか考え込んでいたゲオルグがふと目線をあげると
意外と近くに立っていたフェイトに驚き、声をあげる。

「どうしたのさ、フェイト」

ゲオルグが胸を押さえながら声をかけると、フェイトは色のない表情で
ゲオルグをじっと見つめる。

「突入しないの?」

フェイトの声は小さかったが、ゲオルグにははっきりと聞こえた。
ゲオルグはフェイトに向かって首を振る。

「フェイトも今の通信を聞いてたでしょ?
 向こうの狙撃手をつぶさないと突入したってけが人が増えるばっかりだよ」

ゲオルグの言葉を身じろぎもせず聞いていたフェイトは、
ゲオルグが話し終えると苛立たしげな表情を見せる。

「じゃあどうするの?」

「A分隊が狙撃手をつぶすための攻撃を試してるよ」

ゲオルグはそう言って廃工場の向かい側にあるビルの屋上を指差す。
フェイトが目を向けた先では、A分隊による狙撃手に向けた攻撃が始まっていた。
ビルの屋上からゲオルグの顔にフェイトは目線を戻す。

「あれでうまくいく見通しは?」

「さあ? ヒルベルトさんに聞きなよ」

肩をすくめて言うゲオルグを見るフェイトの眼がスッと細まる。

「そんなので作戦はうまくいくの?
 エメロードに逃げられるんじゃないの?
 迅速な作戦遂行が成功のカギだって言ったのはゲオルグだよね?」
 
矢継ぎ早に質問の形をとった非難を向けてくるフェイトに対して、
ゲオルグも苛立ちを感じ始める。

「ならどうするのさ?
 みんなを極力危険にさらさずに突入するいい案がフェイトにはあるの?」

険悪な雰囲気をかもしだし始めた2人の間に、ルッツが割って入る。

「今は揉めてる場合ではないでしょう。 2人とも少し落ちついてください!」

割り込んできたルッツを睨みつけるように見るゲオルグであった
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