暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第12話:そして廃工場へ
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
気をつけろよ』

「わかってます。 援護はお願いしますね」

『任せとけ』

最後にニヤッと笑ってみせたヒルベルトとの通信を終えて、
ゲオルグは自分の後ろを振り返る。
そこは薄暗くて狭い路地で、ルッツをはじめとするB分隊の隊員たちが
真剣な表情を浮かべて腰をおろしていた。
その先頭、ゲオルグのすぐ後ろにはフェイトもいる。

「みなさん、準備はいいですか?」

落ちついた口調でゲオルグが問うと、彼の10人の部下たちは引き締まった顔で
それぞれに頷く。

「では、これよりB分隊は廃工場への突入を開始します。
 第1目標はあくまで次元犯罪者エメロードの捕縛です。
 エメロードが3階の工場長室に居ることは確認できています。
 迅速な作戦遂行が成功のカギです。
 道中、攻撃を受けることも予想されますが、彼らの撃破は本作戦の
 主目標ではありません。
 前進の妨げになるようであればやむをえませんが、極力戦闘は避けましょう。
 いいですね?」

ゲオルグが最後の確認とばかりに問う。
分隊員たちは再び黙して頷いた。

「いいでしょう。 では行きますよ」

ゲオルグはそう言ってフェイトに目を向ける。
ゲオルグと目が合うと、フェイトはその顔に微笑を浮かべて大きく頷いた。

(フェイトも大丈夫みたいだね・・・。 よしっ!)

ゲオルグはレーベンを強く握りなおすと、ゆっくりとその場で立ち上がった。

「B01より各局。 これより突入を開始します!」

ゲオルグは通信を介してそう伝えると、路地から通りに躍り出た。
同時にヒルベルトからの通信が彼の耳朶を打つ。

『A01より各局。 A分隊は援護攻撃を開始する。
 A分隊各員は、第1目標に集中攻撃を開始!
 B分隊! 射界に飛び込んでくるなよ!!』

その通信の直後、廃工場の門に向かって大通りを駆け抜けるゲオルグの眼に
固く閉ざされた門に向けたA分隊による攻撃が命中していく光景が飛び込んでくる。

(張り切ってるな、ヒルベルトさん・・・)

ゲオルグは走りながら廃工場の向かいにあるビルの屋上をちらりと見る。
そこにはA分隊の面々が居並び、タイミングを合わせて魔力弾を門に向かって
放っていた。
その中にバリアジャケットをまとったヒルベルトの姿をゲオルグは見つける。

(ヒルベルトさん・・・)

そのヒルベルトが一瞬ゲオルグの方に目を向け、小さく頷いた。
少なくともゲオルグにはそう見えた。

(援護、ありがとうございます)

ゲオルグはヒルベルトに向かって頷き返すと、再び真っ直ぐ廃工場の方を見る。
門柱の脇にたどり着くと、壁を背にして立ち止まる。
次々にB分隊のメンバーがゲオルグの側にやってくる中、ゲオルグの隣
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ