第四十三話 少年期【26】
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は乗り切りました。少年Bにめっちゃ叱られたので、それじゃあ他にどんな転移の使い道があるのかを話し合っていたところです。
「でも、宅急便は2ヶ月前にやっちゃったしな…」
「え、もうなんかやらかした後なのか?」
「少年C、俺がやらかす前提ってどういうことだ。あの時は普通の使い道だったぞ。こう、子どもに夢を届けるような感じ的に」
「どんな感じだ」
いやいや、結構あの時は本格的だったんだよ。店主さんと協力して演出も頑張ったし。パーティーで遅くなったあの日。ちきゅうやに泊まったあいつの部屋に、蹄の足跡スタンプをちょっと残したり、閉めたはずの窓を微妙に開けておいたり。奥さんに生暖かい目で見られたが、止められなかったし大丈夫だろう。
アリシアにも同じようにしたら、すごい喜んでくれたからな。きっとあいつもびっくりしたんじゃないかな。まぁ、びっくりさせ過ぎてしまって、罪悪感からネタ晴らしができなくなってしまったのは誤算だったが。そういえばあいつ、流されやすいやつだった。
「そういえば、そろそろ俺たちも2年生かー」
「本当だね。なんだか季節が過ぎていくのが早く感じるよ」
ランディとアレックスの会話にそういえば、と俺も同じことを感じる。もうすぐ進級すると思うと、この1年間が走馬灯のように俺の頭を駆けぬけていく。……大概が先生の困った顔なのは、気のせいだろうか。
「そういえば、2年生から実際に魔法が使えるようになるんだよな」
「そのはず。なぁアルヴィン。魔法ってどんな感じ?」
「ファンタジーじゃない。悟り開く」
「夢壊さないでよ」
2年生になると、学校では魔法の実習がとうとう始まる。俺とリトスは個人持ちのデバイスがあったため、自主学習ができた。しかしアレックスたちはデバイスを持っていなかったため、魔法を使う機会がなかったのだ。
デバイスはその性能から、なかなかの値段がつく。そのため個人持ちは、あまりいなかったりする。そのため、学校でストレージデバイスを貸すことで魔法を教えるようになっているのだ。台数に限りがあるのと、危険防止のため、魔法の実習は2年生からとなっていた。
「学校でさ、魔法ってあんまり教えてくれないよな」
「危ないからって理由もあるだろうね」
実際、学校で教えてくれる魔法は、危険性がないものだったり、せいぜい射撃や防御魔法、捕獲系魔法などが主だったりする。あとは自分で選択授業を選ぶか、専門的に学ぶしかない。ほとんど座学ばっかりだけど、何事にも基礎は大切ということらしい。
……そういえば、2年生になったら母さんに本格的に魔法を教えてもらえるようになるんだよな。
ふと思い出した約束を俺は思い出す。母さんに射撃魔法や防御魔法といった学校で習う魔法を予習として教えても
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