第四十三話 少年期【26】
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たのは2ヶ月経ってもまだ記憶に残っている。
「大体お祭り好きが多すぎなんだよ、このメンバーは。お前らだって騒ぎやがって」
「む? だってパーティーだよ?」
「うん、それに知らない世界のお祭りを実際に体験できるいい機会でもあったし」
「何より、友達を祝うなら盛り上がらなきゃ」
「そうそう、クイントの言うとおり。友人の誕生日を祝うのは当然でしょ」
「……ふん。というか、ニヤニヤするな紫」
エイカの言葉に、「あら、ひどい」とメガーヌはくすくす笑うが、これ以上いじめるつもりはない。照れている彼女をいじるのは楽しいが、お祝いした気持ちは本心なのだから。
「いいじゃない、エイカ。メガーヌはエイカが花が好きだって聞いてから、ずっと夜遅くまで特訓して、花のイリュージョンのプレゼントを作っていたんだから」
「ちょっ、クイントッ!?」
まさかの隠していた裏話を親友に暴露された。誕生日当日に何でもない顔をして、魔法で花吹雪の幻覚を見せたメガーヌ。これぐらい当然、と胸を張って魔法を披露していたのだ。だから誰も彼女が苦労して魔法を習得したということを知らなかった。いつも一緒にいるクイント以外。
「……ぷっ」
「あっ、ちょっとエイカ! 今笑ったでしょ! 本当にちょっと大変だっただけで、あれぐらい簡単にできるのよ!」
「はいはい、あれだけ堂々とやっていたのに、裏で頑張っていたんだなー」
「棒読みやめてー!」
真っ赤な顔でアワアワするメガーヌに、エイカはまた噴き出してしまう。いつも澄ましているようで、どこか子どもっぽい。特に不意打ちされると、それが顕著に出てしまうのであった。
そんな2人の様子を見て、確信犯だなぁ、とメリニスはクイントに目を向ける。それにウインクでかえされたので、メリニスはまた小さく肩を竦めたのであった。
「……そういえば、クリスマスで思い出したけど。サンタって本当にいたんだな」
「あっ、エーちゃんもサンタさんにプレゼントもらったんだ」
『えっ…』
なんとか騒ぎが落ち着いて、数刻後。エイカがぽつり、と言った言葉に3人は固まった。エイカとアリシアが楽しそうにサンタさんについて語っている。地球にある、伝承であるサンタさん。アリシアが信じるのはわかるけど、エイカさん…。
3人はこのことについては触れないでおこう、と純粋に信じ切っている2人を見ながら心に誓ったのであった。
******
「アルヴィンなら、宅配業とかでも稼げるんじゃない?」
「ちわぁー、山猫宅急便でーす。というノリでか。転移の使い道って色々あるよな」
「もう少し君には、堅実な使い道をしてほしいところだけど」
少年B、それは言わない約束だよ。コタツ転移からの汁フルボッコを、なんとか俺
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