第四十三話 少年期【26】
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に冷え込んでくるものだ。だから時にはこうして、コタツでぽかぽかする日があってもいいはずだろう。
「他人の家のコタツでよくそこまでくつろげるね」
「……節度は守るよ? けど、ここちきゅうやじゃん。他人行儀は今更すぎて」
「僕もそこは否定しづらいけど、正直すぎるよ」
微妙な顔をしながら、少年Bは丁寧にみかんの房についている筋を1本1本全部取っている。食べ方を見ているだけでも几帳面だ。少年Cも筋取り派らしいが、大きい筋だけをある程度取ってから食っている。俺のみかんの消費量が多い理由が何となくつかめた。
「アルヴィンって、筋取らないんだね。苦くないの?」
「いやいや少年A、この筋があるのがいいんじゃん。みかんの筋も房も丸ごと食うもんだ。がん予防にもなり、栄養も豊富。女性にも優しいので大変おすすめだ」
「君って変なことは本当にいろいろ知ってるよね」
そこはせめて雑学好きだと言ってくれ。
「というか、さっきから俺らみかんの話しかしていないぞ。他に話題はないのかよ」
「……まぁ、平和だしね」
さすがにこのぐだぐだな空気にランディが痺れを切らしたらしい。といっても、アレックスの言うとおり本当に最近何もない。12月はクリパ(仮)して、1月は正月(仮)したけど、2月は地球でもそこまで有名なのがな…。男の俺からチョコをくれ、というのはさすがに家族ぐらいにしか言えん。
それなりに行事はあれど、この次元世界ではイベント系は少ない。その訳を学校の授業で簡単に教えてもらったが、要は次元世界はまだまだ立て直し期間中だかららしい。つまりそんなに騒げる余裕がまだないのだ。娯楽がないのは仕事人間の多いミッドでも辛いのは変わらないので、適度にイベントがある程度だったりする。
日本で例えれば、明治維新が起こって、そこから新制度を作り上げ、日本という国を新しくしている最中って感じなのかな。次元世界をまとめ上げたのが今から130年前。新暦に代わり、管理局が発足したのが40年前。国1個で大変なのに、世界単位複数なら、こりゃまだまだ難しそうだな。
「アルヴィンどうしたの? ぼぉーとして」
「いや、イベントを増やすにはどうしたらいいか考えていたら、なんか世界平和について考えていた」
「君の思考は、どこで化学変化を起こしたんだ」
そう言われても気づいたら、としか言えん。普通に考えていたはずなんだが、自分でも不思議です。とりあえず他に話題を探そうかと考えた時、そういえば……と思ったことが頭に浮かんだ。なので、早速話題を投入してみた。
「少年A、そういえばいつの間にかメガネをかけていたんだな」
「えっ、今更!?」
「話題求めた俺が言うのもあれだが、それは唐突過ぎね。俺も今思うとそういえば……、って思ったけど」
「ラ
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